デジタル給与がPayPayでまもなく開始 スキマバイトと「親和性高い」【WBS】
ソフトバンクグループの企業でまもなく、従業員がPayPayで給与を受け取れるようになります。スマホ決済アプリで給与を受け取る「デジタル給与」が去年解禁されて以降、実際に導入される国内初の事例となりました。この仕組みは広がるのでしょうか。 キャッシュレス決済の普及拡大を目指し、去年解禁されたデジタル給与。今月、PayPayが最初の事業者として国から指定を受けました。今までスマホ決済アプリで買い物などをする場合、銀行口座などからアプリにチャージして使う必要がありましたが、デジタル給与は直接アプリに入金され、チャージせずともスムーズにデジタル決済が行えます。 PayPayの親会社ソフトバンクグループでは、まずは傘下の10社の従業員を対象に利用の受付を開始しました。PayPayの運営会社の社員がアプリで登録すると、5分もたたずに完了。9月分からデジタル給与を受け取れます。 「今まで銀行からチャージして投資や子供の小遣いの送金をしていた。直接給与を受け取ることでその手間がなくなる。積立投資のお金と子供のお小遣いなので迷っているが、毎月5万円ぐらいをPayPayに入れようかなと思っている」(PayPay社員) PayPayでは、デジタル給与で受け取れる上限を20万円に設定。20万円を超えた分は銀行口座に入金されます。 「普段、銀行口座からATMで引き出して持っておくものが、給与日に自動的に朝起きたら入っているような世界だ」(PayPayの柳瀬将良執行役員) PayPayはソフトバンクグループ以外の企業でも、今年中に導入できるようにします。 デジタル給与の導入に前向きなのが、単発アルバイトの仲介などを手がける「タイミー」です。タイミーは、数時間単位のいわゆるスキマバイトなどを紹介するサービスで、給与は銀行口座に振り込まれます。 「デジタル給与払いはスポットワークのスキーム(枠組み)に親和性がある」(タイミーの加藤彩花さん) タイミーの利用者770万人のうち約7割がスマホ決済アプリなどをよく使う10~30代です。タイミーによる調査では、33.6%がタイミーで給与のデジタル払いを利用したいと回答しました。働いてすぐにお金がほしいという利用者も多いスキマバイト。24時間いつでも入金されるデジタル給与は魅力的だと言います。 タイミーは、今後さらに利用者や求人を出す企業へのヒアリングを進め、積極的に導入を検討したいとしています。 「デジタル給与の仕組みを整えることで、より多くのワーカーを取り込む、利用者層の拡大に繋がると考えている」(タイミーの加藤さん)