教会に子を託す「ベビーボックス」に赤ちゃんの遺体、通知届かず イタリア
ローマ(CNN) イタリア南部プーリア州の教会で2日、親が養育できない子を匿名で託せるよう設置された「ベビーボックス」から赤ちゃんの遺体が見つかった。連動している司祭の携帯電話に、通知が届かなかったという。 発見されたのは生後1カ月前後の男児の遺体。 ベビーボックスは教会の外に設置された小さな部屋だ。司祭が現地メディアに語ったところによれば、中のベビーベッドに赤ちゃんが置かれると自動的に通知が送られる仕組みだが、今回は「電話が鳴らなかった」という。 通りかかった地元葬儀場の責任者が、ベビーボックスのドアが閉まっていないことに気付き、司祭に連絡。通報を受けた地元警察が遺体を発見した。 ベビーボックスのベッドに赤ちゃんを寝かすと、司祭への通知とともにヒーターが起動する。地元警察によると、ヒーターがついたかどうか、その時点で男児がすでに死亡していたのかどうかは不明。亡くなった時期や死因を調べるため、解剖が実施される。 男児をベッドに置いた人物が部屋のドアを閉めなかったために、通知システムが作動しなかった可能性も考えられるという。 このベビーボックスが前回使われたのは2023年12月。女児が託され、無事に保護された。 イタリアでは06年にベビーボックスが導入され、これまでに各地の教会や病院に設置されている。同国の法律では、女性が匿名のまま出産し、子どもを病院に託すことが認められている。