まさかの「大逆転」!イッペイが「無罪になる」可能性も…弁護士が解説する「司法取引」と「裁判」の行方
ドジャースの大谷翔平投手(29歳)の口座から不正送金していた元通訳の水原一平容疑者(39歳)。米連邦検察は12日(現地時間11日)に「銀行詐欺罪」で訴追した。最大で禁錮30年の罪――。 【写真】笑顔が消えていた…イッペイの変わりゆく表情 前編記事『日本人が考えているより実は深刻…「イッペイがしたことは国家を揺るがす重大犯罪だ」! 単なる「不正送金」では片づけられない理由』に続き、水原容疑者の裁判の行方について報じる。
立場を利用したイッペイの悪質な行為
13日(現地時間12日午前)、水原容疑者は米カルフォルニア州ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。 「銀行詐欺罪」は有罪となれば、最長で禁錮30年、100万ドル(約1億5000万円)の罰金のいずれか、もしくは両方といった量刑が科せられる。 アメリカの法律事情に詳しい、東町法律事務所の村尾卓哉弁護士が解説する。 今回の事件、スーパースター大谷翔平のカネを盗んだ社会的な影響は相当大きかった。 「水原容疑者が『ESPN』に語った内容もウソだったことで騒動が大きくなった。問題が発覚した後も彼はあがいているじゃないですか。この時、素直に謝罪をしていれば、大谷もMLBも水原容疑者のスキャンダルの影響で長く苦しまなくても済みました」(村尾弁護士、以下「」内も) 大きな負債額や不正送金をした金額ばかりに注目が集まっているが、米国ではそれ以上に大きいと見られているのが、水原容疑者の「ウソ」なのだ。大谷を献身的にサポートし、信用されていた立場を悪用するように、あまりにも大きな裏切りを重ねてきた。
相当長い刑に課せられる可能性も
では、水原容疑者の罪はさらに重くなり、「禁錮30年」を超えることはあるのだろうか。 「それはないと思います。銀行詐欺罪の刑期の上限は30年ですから、それ以上の期間、収監されることはないでしょう。アメリカでは犯罪の類型や被害額、前科などにより、犯罪レベルを類型化し、そのレベルに応じて刑期、罰金額を決めるガイドラインがあります。 銀行詐欺罪は相当重い罪なので、連邦検察がそれ以外の犯罪名でする訴追することはないと思います。とはいえ、禁錮2~3年程度に落とすのは厳しく、相当長期の刑が課せられるのではないかと思います」 村尾弁護士によると、ポイントとなっているのは「司法取引」だという。 「司法取引は何も罪を自白させ、ほかの犯罪の情報を提供させることだけではありません。アメリカは陪審の国です。日本でいうところの裁判員裁判制度、つまり法律知識のない一般市民が入ってきて量刑を判断します。そうなると、どんなイレギュラーな事態が起きるかわからないんですよ。 例えばアメリカの場合、陪審員が全会一致で有罪にしないと、被告は無罪になります。もし陪審員が一人でも『イッペイは有罪ではない』と考えれば、水原容疑者は無罪になる可能性もある。無罪なると検察官には控訴権がないので、控訴できないんです。一発負け」