日本人が次期総裁に選出された「国際数学連合」とは?
日本人全体の数学力は上がっている?
ところで、日本人の数学力は世界の中でどのくらいのレベルにあるのでしょう。舟木氏によると「少なくとも、数学が好きで好きでしょうがない学生たちのレベルは世界的も高いレベルにある」そうです。一方で、高校までの教育課程で数学の授業時間が昔に比べて減っていて、入試などのレベルは下がっているという側面もあるようですが、専門的な世界では、たとえば産業数学も取り上げられるようになり、生物や物理、工学などの分野との交流も進んで、数学の役割は拡大しているのだといいます。 「数学は論理的に完璧でなければ成立しない学問で、ひとつの定理を証明するとさまざまに応用できる普遍的な学問でもあります。社会人のみなさんにも、もっと興味をもっていただきたいですね」(舟木氏) まずは、数学の世界に興味をもつために、入門書的におすすめの本はないものか、舟木氏に尋ねると、2010年のフィールズ賞を受賞したフランス人数学者、セドリック・ヴィラーニ氏の『定理が生まれる~天才数学者の思索と生活』(早川書房)を紹介してくれました。「数学者の苦労の内幕が書かれていて、専門知識がなくても面白い。海外では書店に平積みされていたりします」(舟木氏)だそうです。 (寄本好則/三軒茶屋ファクトリー)