ランボルギーニの新型ハイブリッドスポーツ「テメラリオ」国内初披露、電動化でも変わらずデザイン
「子どもの頃からランボルギーニのデザインは大好きでした」と、1974年生まれのボルカート氏は言う。 「私をランボルギーニに引き抜いてくれたのは、(当時ランボルギーニも所属するフォルクスワーゲングループ全体のデザイン責任者であった)ワルター・デシルバです。ワルターのおかげで、その後、私はイベントで他社のデザイナー仲間に会うたびに、”ミティア、おめでとう、よかったな”と言われたのも、嬉しかったです」
■ランボルギーニのデザイン理論 ランボルギーニで重要なのは、“アイコニックなデザインを守ること”ともボルカート氏は強調してきた。V12気筒まで搭載して大排気量エンジンを活かしながら、世界最高峰の操縦性を実現することを目指してきたランボルギーニが電動化へと舵を切るなら、デザインも変わることを余儀なくされるのか。 「私たちはつねにランボルギーニのデザインのDNAにしたがうように、造型を手がけてきました。ポイントはシルエットです。フロントから見ると強く傾斜したサイドウインドウ、リアは宇宙船のようなシェイプ。それに一本の弧で表現できるようなルーフライン。これらがつねにデザインの出発点です」
マルチェロ・ガンディーニが手がけたランボルギーニを代表する1台、「クンタッチ(1974年)」にはじまり、ずっとあとに登場した「アヴェンタドール(2011年)」やウルス(2018年)も、「ランボルギーニのデザインDNA」が守られている。 「デザインチームが意識しているのは、デザインDNAを守りながら、顧客の高い期待をさらに上まわるデザインを実現することです」。そう言って、ボルカート氏は、2017年のテルツォ・ミレニオと、2023年のランザドールというコンセプトモデルを例にあげる。どちらも動力はバッテリーという設定だ。
■重要なことはランボルギーニと伝わるデザイン ランザドールがアメリカ西海岸でのモンタレーカーウィークで発表された当時は、12気筒のアヴェンタドールが生産中止になった直後。まだ周囲には、ランボルギーニといえば、大排気量の多気筒エンジンというイメージが強かった。 「バッテリー駆動のランザドールは、誰が見てもランボルギーニとわかってもらえるはずです。私の考えでは、動力源は、エンジンだろうとバッテリーだろうと、デザインに大きな違いは生まれないでしょう。今のランボルギーニ車はリアに大径のエグゾーストが見えていますが、BEVになったら、それはなくなります。でも、そこにはパネルをはめればデザインが成立します」
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