「中学受験で“親が”燃え尽きないように…」勉強できる子の親がしていることとは?
合格後に気をつけること
私は、中学校受験のときには、一日三時間くらい勉強していたのですが、灘中に入ってからはほとんど勉強をしなくなりました。いったん勉強しない癖(くせ)をつけてしまうと、これを再び三時間の勉強に持っていくのはとてもきついということを、身をもって体験しています。 中学校受験の際に、一日三時間勉強していたのであれば、中学に入ってからもそのまま勉強を続け、せめて一日一時間半勉強するというようにさせるべきでしょう。三時間やっていた勉強を、半分の一時間半に減らすのですから、苦痛ではないはずです。 私のようにいったんゼロ近くにしてしまいますと、そこから一時間に持っていくだけでもたいへんな労力になります。 くれぐれも中学校受験はゴールではないということを忘れないようにしてください。
中学校受験で失敗した子にはこんなフォローを
考えたくはないかもしれませんが、受験では「不合格」という事態もあり得ることです。失敗したときにどうするか、落ちてから考えるのでは、子どものためにもよくありません。 まず、併願校はきちんと考えておきましょう。 たとえば第一志望を私立の中高一貫校としている場合は、併願できる公立の中高一貫校があるか、具体的に考えておくことが必要です。大学受験に照準を合わせるのであれば、第二志望であっても、その六年間を使って大学受験に備えたほうが得策です。 かつては高校から御三家などの名門校に入るのは難易度が高くて大変でした。なので中学受験で進学するのが賢明とされていたのですが、最近はほとんどの優等生がどこかの中高一貫校に進学するため、高校からも比較的入りやすくなっているようです。 とはいえ、高校受験も相応のエネルギーと時間を使います。それならば高校受験をパスして、大学でトップ校をめざすのも一つの考え方です。 名門校といわれる学校のランキングは、思っているよりも短いスパンで入れ替わっています。苦労して入った学校のレベルが、大学受験までの六年間のうちに下がってしまうこともあれば、逆に上がってくることもあります。現時点でのランキングやブランドにこだわりすぎないほうがいいでしょう。 いずれにしても、子どもは落ちたときのことを前提として受験をしているわけではありませんから、落ちれば大きなショックを受けます。しかし、親としては、落ちたときのことも事前に考えておき、もし落ちたらこういう言葉をかけようなどと予行演習しておくくらいの心づもりが必要でしょう。 もし第一志望に合格できず、子どもが落ち込んでいるようであれば、「中学受験で失敗しても、立派に成功している大人は大勢いる」ということを教えてあげましょう。そして、受験のために積み上げてきた勉強は無駄ではなく、基礎学力として身についており、入学時点で相当なアドバンテージとなっているはずなので、気持ちを切り替えて、次の目標に向かって学習を進めていきましょう。 親があわてないで、最後まで「あなたの味方よ」「最終的にうまくいくように何とかしてやるぞ」という姿勢を見せれば、子どもにも安心感が生まれてきます。