上戸彩、鈴木おさむ、麒麟…2024年に一番読まれたインタビュー記事ベスト5【まとめ】
5.岸博幸「がん判明から1年が経ち、僕の余命は9年になってしまった」
2023年1月20日、僕は自分が血液のがん、多発性骨髄腫に罹患していること、そして、余命10年であることを知った。 この時、胸に去来したのは、「そうか、ここ1年ほど体調不良が続いていたのは、年のせいではなく(僕は当時60歳になっていた)、病気のせいだったのか」という納得感のようなものだった。病気を公表した直後の7月下旬に受けたゲーテの取材で、「病気がわかってショックだったか?」と聞かれた時、僕はそう答えた。 人気が高い人間ドックと、この病気の権威であるドクターの予約が、自分がたまたま空いている日にとれるなど、「ツイている」と思うことが重なったとも話した。さらに、余命10年とわかったおかげで自分の生き方を見直すことができたのだから、病気になったのはむしろラッキーだったとも。 それらの気持ちに噓偽りはないし、虚勢を張っていたわけでもない。ただ、病気の告知から1年以上経った今、改めて考えると、やはり告知された時の僕は動揺していたのだと思う。いつもなら他人の発言に対して詰めまくるのに、その時は医師の言葉になんの意見も疑問も投げかけず、ただ「そうですか」と頷いてしまったのだから。