【阪神】「森下の4番起用は時期尚早」伊勢孝夫氏が藤川監督の新オーダー構想に否定的な見解
阪神・藤川球児監督(44)が就任1年目にふさわしく、新年早々から独自色を打ち出している。今季の構想として「3番・佐藤輝」「4番・森下」「5番・大山」の新オーダーを披露した。これに対し、本紙評論家の伊勢孝夫氏は「森下の4番起用は時期尚早」と否定的な見解を示している。 【新IDアナライザー・伊勢孝夫】大前提として、俺は森下の打者としての将来性や潜在能力の高さをとても高く評価しているよ。昨秋の「プレミア12」でも披露した勝負強さや思い切りの良さは確かに魅力的や。でもな、思い切りの良さってのはひとつ間違えると空回りの方向に裏返ってしまうリスクもはらんでいるんよ。 プロ2年目の昨季は春先こそ不調に悩み大きく出遅れたものの、最終的には打率2割7分5厘。本塁打もキャリアハイを更新する16発を記録した。せやけど今季でやっと入団3年目を迎える森下は、まだまだこれから場数を踏みながらステップアップしていく過程の中にいる選手よ。 4番としての重圧を前に「空回り」して数字が低迷してしまえば、その前を打つ3番・佐藤輝への相手バッテリーの攻め方は「歩かせても次が安パイだからOK」とばかりに、よりコーナーを突いた厳しいものになってしまうやろ。打線全体が悪循環に陥って機能不全になってしまう恐れすらあるんよな。 俺なら森下を3番に置き「4番・佐藤輝」「5番・大山」の並びにする方が正解に近いと思うけどな。佐藤輝は何だかんだ周囲から言われながらも、プロ4年のキャリアで84本塁打をマークした実績がある。新チームの打線のど真ん中を支えなアカン選手はこっちやろ。 こうした方が打順の左右のバランスもええ。近本や佐藤輝の対左投手成績が対右を上回っているのは重々承知の上やけど、それでも俺は近本、中野、佐藤輝と先頭から左打者3人が続くのにはどうしても抵抗があるんよな。 大勢に加えマルティネスまで加入した今季の巨人のリリーフ陣が相手やと8、9回はまず点が取れんぞ。7回までにリードを奪っておけば、かつての「JFK」がいた頃の阪神のようにかなりの高確率で勝ちを拾えるわけや。打順によっては6回あたりの早いタイミングで高梨のような対左に強いピッチャーを当てられる可能性は高いやろ。相手ベンチが少しでも継投に悩むような打線の並びをつくっておかないと、長丁場のペナントレースは勝ち切れんよ。 まあオープン戦どころか、キャンプすら始まっていない段階やからな。藤川監督も話題づくりの一環でこの手の話をしたんとちゃうか?
伊勢孝夫