本郷和人『光る君へ』道長から紙を贈られて『源氏物語』を書き始めたまひろ。実は清少納言が『枕草子』を書いたキッカケも…平安時代の<紙>の重要性について
◆巻き物が600年代から現存 では、何が使われていたのでしょうか。それは竹ではなく、木。つまり木簡です。 木簡が存在していたという事実は古くから知られていたものの、「これは素晴らしい歴史資料だ」ということが言われるようになった1960年代から、より重要視されるようになり、水に漬かった状態の土の中から大量に出土するようになりました。 ただし、書物に仕上げるとなると、木簡は不便。やはり薄くて軽い紙を使いたい、となる。 なお日本の古い書き物というと、お経になるのですが、600年代から現存しています。すごいですね。 朝廷が整備されると、本を管理するために中務省の管轄下に図書寮という役所がつくられました。図書寮の紙屋院という部署では、紙も作っていました。 実はこの図書寮という名前、いまでも宮内庁の下に現存していて、大切な資料を保存しています。現在は、事前予約の上で閲覧室を利用できるようになっているようなので、興味のある方は調べてみて下さい。
本郷和人
【関連記事】
- 次回の『光る君へ』あらすじ。道長の思惑通り、まひろの書いた物語へ興味を示した一条天皇。そこで道長はまひろに「ある提案」を…<ネタバレあり>
- 『光る君へ』6年前の夜の会話を皆の前で披露した道長。まひろが目をきょろきょろさせるのも当然、その夜は…視聴者「当の娘の前で(笑)」「そりゃそうなる」「いとと乙丸の切ない顔よ」
- 本郷和人『光る君へ』なぜ平安貴族は庶民に向き合わないまま、優雅に暮らすことができたの?その理由は単純に…
- 『光る君へ』12歳で入内後、出産まで実に10年を要した道長の娘「いけにえの姫」彰子。苦しんだであろう日々が『源氏物語』にも影響を…その生涯について
- 下重暁子 藤原道長からいじめ抜かれた定子を清少納言は懸命に守ったが…紫式部が日記に<清少納言の悪口>を書き連ねた理由を考える