同じコンビニが「近所に何軒も出店」の意外な勝算 セブン-イレブンが競合を圧倒する納得の理由とは?
■競合をはるかに上回る店舗数での全国展開 セブン-イレブンが、沖縄県で出店し全国進出を果たしたのは2019年。そのころの店舗数はすでに2万店を超えていました。 いちばん早いタイミングで全国進出を達成したのはローソン。1997年沖縄県への出店で全都道府県に店舗を展開することになり、当時の店舗数は6000店余りでした。 ファミリーマートの場合は2006年。こちらは北海道が最後の進出エリアになりましたが、約1万2500店の規模がありました。
また、業態は違いますが、ドラッグストアチェーンのマツモトキヨシホールディングス(現マツキヨココカラ&カンパニー)が、和歌山県への出店で全都道府県に店舗展開を達成したのは2020年のことで、店舗数は1700店規模でした。 このことから、いかにセブン-イレブンが、ドミナント戦略を展開することにより、じっくりと店舗の出店エリアを広げてきたかがわかると思います。 ちなみに、現在の大手コンビニチェーン3社の国内店舗数と、1店舗当たりの平均日販(1日の売上高)は次のようになっています(いずれも、2023年2月期決算より)。
*セブン-イレブン ・国内店舗数:2万1402店舗 ・平均日販:67万円 *ファミリーマート ・国内店舗数:1万6533店舗 ・平均日販:53万4000円 *ローソン ・国内店舗数:1万4631店舗 ・平均日販:52万2000円 見事なまでに、全国展開にじっくり時間をかけた順に、現在の店舗数、平均日販になっています。 ※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
■自社競合もいとわないドミナント出店 急速に進む少子高齢化と人口減少により、いま、日本国内の小売市場は成長頭打ち状態に入っています。そのなかにあって、まだまだ成長を続けている市場がドラッグストアです。 その大手チェーンのなかにも、ドミナント戦略を打ち出し、成長を図っているところがあります。 創業は九州の宮崎県、九州エリアで圧倒的なシェアを誇るコスモス薬品は、大手食品スーパー顔負けの食品売上をあげているドラッグストアです。同社は成長戦略としてドミナント出店を掲げ、「自社競合もいとわない」勢いで東へ、東へと拡大を続けています。その勢力はいまや関東にも広がり始めています。