Chip Tanakaが語る「解き放たれた」最新作、レゲエからの影響、ピラティス、能や日舞への強い興味
いつかNOH(能)って曲も作りたい
―改めて、前半の新曲5曲に関して聞かせていただくと、Tanakaさんにとっての所信表明みたいな意味もある? Chip Tanaka:そうですね。音楽でそんなこと言ってどうするのってところはあるんだけど、自分自身に言い聞かせるというか、次につながる今一番新しい自分ですって意味ですかね。それが現実だし、未来に向けていい流れを作っていきたい。毎回体の中にそういう気持ちやエネルギーがなかったら続かないと思うんですよね。多分アーティストみんなそういう気持ちで臨んでると思う。例えば、80歳で吹き込んだ作品を見つけると、知らないアーティストでも音源を買ってみるんですよね。どんな姿勢で録音しているんだろうって気になって聴いたりする。昔はそんな聴き方しなかったけれど、自分が年齢を重ねたこともあってつい気になります。ストーンズも去年新譜出しましたが、アルバムのエネルギーがすごいじゃないですか? キース・リチャーズのビデオも見たんですけど、どんどん力が抜けてきてていい感じ。キースはレゲエが好きで、ソロアルバムの中にもレゲエの曲が混ざっていて、やっぱりこの人好きなんやなっていうのはすごい伝わってくる。そういうことばっかし言うと、なんかおっちゃんのロック好きみたいなことになっちゃうから、普段はあまり言いませんが(笑)、やってることは全然違うけれど、いいなぁって思ちゃいます。 ―そういう意味では、ポール・マッカートニーもそうですよね。 Chip Tanaka: 82歳なのにすごいですよね。これ音楽とは関係ないけれど、昔から思っているんだけど、ポールの体型を見ると、絶対ピラティスやってんなって(笑)。ポールの姿勢とミック・ジャガーの姿勢って、ちょっと似てる気がするので、何かしら体幹は鍛えていると思います。実は自分も60歳からピラティスやってるんですよ。日本だと、例えば能とか日舞(日本舞踊)とか、ああいう人らもそういう姿勢も同じだと思っていて。この前、近所で日舞の入門ライブみたいなことをやっていて。僕は仕事があったから顔は出せなかったけど、最近そういうことに興味があるんですよね。 ―それこそ、先ほどおっしゃってたみたいなレゲエのアルバムとかも聞きたいですし、Chip Tanakaの活動に、さまざまな可能性が出てきそうですね。 Chip Tanaka:レゲエアルバムはぜひやりたいね。いつかNOH(能)って曲も作りたいなって思っていて(笑)。能が好きで、昔から何度も観に行っているんですね。昔は能の舞台の意味のわからなさが怖かったんですが、最近は、解説してくれるイヤホンガイドが充実してるから、能とか雅楽も内容が理解できてすごく面白い。別に高尚な趣味を言おうとしてるわけでなく、音楽活動を続けるにあたり、ヒントであったり刺激だったりするんですね。 ―僕も去年初めて能を見たんですけど、心地いい揺らぎがありますよね。 Chip Tanaka:はい、あれは元々、基本的に外でやったものらしい。風があったら風の中で、雨が降ったら雨が降る中で舞うらしくて。 ―Chip Tanakaとして、そうした日本の伝統芸能に即した楽曲を作ったら、それはまた面白いものになりそうですね。 Chip Tanaka:古い日本の音楽のスタイルを真似ようとは全然思ってないけれど(笑)、NOH(能)っていう曲名ありきで、Chip Tanakaならどうする?というのが課題の一つだったりします。僕はメモ魔なので、そういうメモが色々あって。思いつきのメモがキッカケで新しいものができたらおもしろいかなと思って、うまくいくかどうかわからないけれど、とにかく思いついたらメモしています。 ―今考えている、今後の展望があれば教えていただけますか? Chip Tanaka:正直、3年5年先のことは考えていなくて。例えば、今日インタビューした記事が残っていたら、それもきっかけになるし、さっきのNOH(能)もそうで。いろんな音楽の種みたいなのができると、その種から連鎖反応していろんな展開があればいいなぁ、と。あと、ライブで色々刺激を受けることが多いんですよ。8月は女の子がボーカルの若いレゲエバンド(ラブワンダーランド)と対バンしたんです。向こうから声かけてくれて。「マザー2」の時にやっていたダブの曲が好きで、そこからずっとレゲエをやっているって言われて。そんなキッカケでライブに出てくれませんかって誘ってくれて。そういうのも想定外の展開じゃないですか。そういう人たちと一緒にアルバム全部を作るのもありかなと思ったり。やってみたいことはまだまだたくさんありますね。 <リリース情報> Chip Tanaka 4thアルバム『Desatar』 10月25日(金)配信 =収録曲= 1. Horizon 2. Flow 3. Neon 4. Mumbai 5. Dune 6. Calm Sea (Extended Mix) 7. Pulse Ride (2023 Edit) 8. Pacific (2023 Edit) 9. Fennec (Remix) Download & Streaming : <ライブ・イベント情報> BRUTUS×PARCO GAME CULTURE FES ポップカルチャー/ライフスタイルの総合誌「BRUTUS」とパルコがタッグを組み、『ゲーム×カルチャー』をテーマにした、ゲームの多様な楽しみ方を提案する新たな形のフェスを開催!ゲーム音楽へのアレンジを試みるジャムイベントや、ゲーム音楽の魅力を深掘りするトークショー、さらにイベントの最後にはゲームにゆかりある豪華アーティストによるライブを実施! [EX.MUSIC] 2024年11月17日(日)池袋PARCO 本館屋上 [時間] 開場12:00 開演13:00 ※最終入場20:30 前売り入場券:1日通し券 3,800円(税込) 「ゲームミュージックジャム(12:00~13:00)」coming soon… 「ゲームミュージックトークショー(15:00~16:00」coming soon… 「ゲームミュージックライブ(17:00~21:00)」 ファミリーコンティニュー/MC8bit & DJ SHOGO MC8bit 出演: gigandect lilbesh ramko ラブリーサマーちゃん (solo set) 食品まつり a.k.a foodman Chip Tanaka チケット購入 YMCKのやさしいクリスマス会 2024年12月1日(日)下北沢ERA OPEN 18:30/START 19:00 前売り¥3,500(1drink別) 出演:YMCK、Chip Tanaka、中塚武、N!ESS
Hiroo Nishizawa