“B”列車で行こう!目的地のジュネーブでブランド初のコンプリケーションとご対面!【ブライトリング取材レポート】<2日目>
そして改めて、これら3つのモデルに共通して搭載されるキャリバーB19である。すぐ目に飛び込んでくる18Kレッドゴールドの自動巻き上げローターには、ブライトリングが現代クロノグラフの基盤となるメカニズムを生み出したモンブリランのファクトリーをエングレービング。あまりの緻密さに自動レーザー加工かと考えたが、聞けばこれにも職人技が介在しているとのこと。メカニズムに目を向ければ、2009年に開発されたブライトリング初のマニュファクチュールキャリバー01をベースに用いているものの、石数は47石から39石へと減少。その一方で、パワーリザーブが約70時間から約96時間にまで延長されている。キャリバーB19は12時間計を持たないが、それに代わる形で6時側のカウンターには月と閏年の同軸表示があり、さらに12時側にはムーンフェイズの表示も加わっているのだ。28、29、30、31の月ごとの日にちの終わりを自動判別して約1世紀にわたり正確なカレンダー表示を行う複雑機構を組み込み、ロングドライブ化まで達成したブライトリングの新たな合理設計には、舌を巻くばかりである。
重要な節目を記録するブランドブック「140 YEARS IN 140 STORIES」
こうして3部作をひと通り吟味し終えて会場をあとにした筆者は、しばしの休憩を挟んで夜に開催されるブランドブック「140 YEARS IN 140 STORIES」の完成披露イベントにも参加。ここでもジョージ・カーンCEOの挨拶があり、続いて本を出版したリツォーリ社の担当がキュレーターとなってのトークイベントが始まる。登壇者は、書籍の編集者であるNATASHA MEKHAIL氏や歴史家のFRED MANDELBAUM氏、ウィリー・ブライトリングの息子GREGORY BREITLING氏。随所で書籍の中に綴られている140のエピソードの中から、逸話にゆかりのある人物(宇宙飛行士スコット・カーペンターの娘KRIS STOEVER氏や、戦闘機ウォーホークのパイロットTAYLOR STEVENSON氏ら)による朗読も行われるなど、バラエティに富むプログラムだった。