【全文】ウクライナ政権キーマン 単独インタビュー「日本は、この戦争がどういうものかを明確に意識している」
■高まる“核の脅威”は…
――今、ザポリージャ原発やベラルーシの戦術核など、核の脅威が高まっている。日本は唯一の被爆国でもあり、福島第一原発の事故も体験し、核の怖さを知っている。どのように見ている? もちろん、ウクライナは核の脅威を懸念しています。我々は多くの国と違って、ロシアとはどういうものなのか分かっています。ロシアがある所に地雷を敷設したら、それを爆発させることができることを我々は意識しています。ロシアが地雷を除去をすることは絶対にないのです。 ロシア側はカホフカダムに地雷を敷設し、爆発させました。ロシアはクリミア・ティタン工場に地雷を敷設しており、それはクリミア半島の北部になります。ロシア側は戦争に負けそうになったら、この工場を爆発させるでしょう。 ロシア側はザポリージャ原子力発電所に地雷を敷設していますが、それを発表したことは、我々が行った最も大切なことです。我々は公にその話をしています。我々は世界のコミュニティーからの適切な反応を求めています。 我々は根本的な犯罪への試みを明確に記録しています。ロシアには手段があり、動機があり、ロシアが当該地域を管轄していると我々は示しています。そして、起こりうる相当な結果の話もしています。世界をそのことに対し、また目をつぶらないでほしいのです。 IAEA=国際原子力機関がもっと積極的に管理してほしいし、(事務局長の)グロッシ氏は「あそこに特に何もない」と言わないでほしい。(ロシア国営原子力企業)ロスアトムのことを話してほしいし、「あそこに見かけたら、ロスアトムはすべての市場を失ってしまう」と言ってほしい。このような反応があってほしいのです。 国連ではロシアの依頼に応じた架空の会議を止め、“ロシアが軍をザポリージャ原子力発電所に配置しているのはどうしてなのか”といった会議を開いてほしいのです。“機械室や冷却組織に地雷を敷設しているのはどうしてか”など、それらの問題が常に国際会議の協議事項にあってほしいのです。 この戦争で、我々は最後まで行きます。ゼレンスキー大統領は、ロシアがしていることにかかわらず「この衝突を冷凍状態にさせない」と、かなり明確に言いました。何らかの妥協の境界線を、固定化させるつもりはありません。そんなことはしません。くり返しになりますが、戦争を次の世代に引き継がれることは絶対に許さないからです。 ロシアは負けるべきですし、ロシアは変革すべきです。その一部は犯罪者として被告席へ行くべきで、ロシアは懺悔すべきです。そうすると、世界はより安定した場所になります。これこそが、我々が今、戦っている目的なのです。