年金だけで生活できる高齢者世帯は41.7%…65歳以上無職夫婦世帯の年金生活の実態とは?「貯蓄額・家計収支・年金額」
65歳以上:無職夫婦世帯の「1ヵ月の家計収支」は毎月約4万円の赤字に…
続いては総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」より、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を見ていきます。 ●毎月の収入 ・収入合計:24万4580円 ・うち社会保障給付(主に年金)21万8441円 ●毎月の支出 ・消費支出:25万959円 ・うち食料:7万2930円 ・うち住居:1万6827円 ・うち光熱・水道:2万2422円 ・うち家具・家具用品:1万477円 ・うち被服及び履物:5159円 ・うち保健医療:1万6879円 ・うち交通・通信:3万729円 ・うちその他:5万839円 ・非消費支出:3万1538円 支出合計28万2497円 ●毎月の収支 ・▲3万7916円 支出28万2497円に対して収入は24万4580円。毎月の赤字額は3万7916円です。 65歳以上無職夫婦世帯の平均的な家計収支となりますので、黒字の世帯、赤字がより大きい世帯などあるでしょう。 収入が多くても支出がそれを上回れば赤字ですし、収入が少なくても支出がそれを下回れば黒字です。 老後に向けて赤字が出ないよう、収入と支出のバランスを調整していく必要があるでしょう。 では、老後の収入はどれくらいなのか。次章で、2024年度の「標準的な夫婦」のモデル年金額を見ていきましょう。
夫婦世帯の「厚生年金と国民年金」はいくら?モデル年金額でシミュレーション
2024年度の年金額は前年度より2.7%の増額となりました。 国民年金は満額で6万8000円、厚生年金の場合は標準的な夫婦合計で23万483円です。 厚生年金のモデル年金額は、”標準的な夫婦”2人分です。夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」という条件で試算されています。 しかし、近年は夫婦共働きの世帯も増えてきました。扶養控除内で働く人、夫婦ともに厚生年金に加入して働く世帯などさまざまです。 ケース別に年金額の例を見てみましょう。 ●単身世帯の年金例 ・報酬54万9000円:18万6104円 ・報酬43万9000円:16万2483円 ・報酬32万9000円:13万8862円 ・報酬37万4000円:14万8617円 ・報酬30万000円:13万2494円 ・報酬22万5000円:11万6370円 ・報酬14万2000円:9万8484円 ●夫婦世帯の年金例 ・夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円 ・夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円 ・夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円 ・夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円 ・夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円 ・夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円 ・妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円 ・妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円 ・妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円 ・夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円 ・夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円 ・夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円 ・夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円 ・妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円 ・妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円 ・妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円 上記は一つの目安としてご覧ください。 将来の年金見込額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。現時点の年金記録にもとづくものですが、老後対策を進める上で重要な情報となりますので、確認しておきましょう。