じつは、専用機という手もある…いま使っているコンポを「買い替えない」驚きの方法
ネットワーク環境の準備
ネットワークプレーヤーを導入する前に、ネットワーク環境をあらためて見直してみましょう。 インターネットにつなぐために必要な機器は、オーディオ用途だからといって特別な違いはありません。家庭用ネットワークを構築する際に不可欠な、Wi-Fiルーター、スイッチングハブなど基本的な装置はそのままオーディオ用途にも使うことができます。 スイッチングハブなど一部のネットワーク機器はノイズ対策を強化したオーディオ専用の製品が発売されていて、それらを導入すると音質を改善できる場合がありますが、必須というわけではありません。 インターネットの通信速度は速いに越したことはありませんが、4Kの動画配信を見られる高速インターネットなら音楽再生でも高い品質を確保できます。普及が進んだ光 ファイバーやケーブルテレビなどの高速回線なら十分にカバーできる範囲です。 ただし、ルーターやハブとオーディオ機器をLANケーブルでつなぐ有線接続ではなく、音楽信号の伝送にワイヤレス(Wi-Fi)接続を利用する場合は、場所によって電波が届きにくかったり接続が不安定になったりすることがあるので、電波の中継機器やメッシュWi-Fiと呼ばれる通信機器を導入するなど、何らかの対策が必要になる場合があります。メッシュWi-FiとはWi-Fiルーターを1台だけでなく、複数台増設する方法です。
音楽データは有線LAN、機器操作はWi-Fiがおすすめ
有線LANを使うか、ワイヤレス(Wi-Fi)を利用するか迷った場合は、まず有線LANでの接続を試すことをお薦めします。近年はWi-Fiが主流ですが、ネットワークプレーヤーで音楽をじっくり楽しむためには、できるだけ安定したネットワーク環境を整えることが望ましいからです。 一方、インターネットは利用しているが、有線接続だけでWi-Fiは使っていないというケースもあるでしょう。 ネットワーク再生自体は有線LANだけでも実現できるのですが、使い勝手は大きく制限されてしまいます。ネットオーディオでは選曲などの操作にスマホやタブレットを使うので、それらのモバイル端末を家庭内ネットワークにつなぐためにWi-Fi接続が不可欠です。 音楽データは有線LANで送受信し、機器を操作するための情報はWi-Fiで送受信するというのがいまのところ最適な方法だと覚えておいてください。 ネットオーディオのすすめ 高音質定額制配信を楽しもう CDをはるかに凌駕する音質で、話題になったネットオーディオ。初めてネットオーディオに挑戦するオーディオファン・音楽ファンを対象に機材の選び方から、煩わしいネットの設定まで具体的に分かりやすく解説します。
山之内 正(オーディオ評論家)