旗手怜央はなぜ“2戦連続ベンチ外”だった? 今の充実した日本代表メンバーでは極めて妥当、セルティックがどれほど国内で無敵でも...
苦況を変えるチャンスはCLしかない
「だったら、なぜ招集するんだ?」という当然の疑問に当たりそうだが、ここでベンチ外に至る背景の2つ目、ゲームプランが登場する。 コンディション不調の選手に対する即時の補充として、ユーティリティな旗手が適するのは言うまでもないが、もうひとつ。中国戦とバーレーン戦は、FWの登録が多かった。1トップに、スタメンの上田綺世のほか、小川航基、浅野拓磨、前田大然と4人のFWがメンバーに名を連ねた。前田はウイング起用も想定されるが、サイドはサイドで、三笘、伊東、中村、堂安、菅原由勢と充分に、いや、過多に揃っている。 逆にボランチは遠藤航と守田のほかは、田中しかおらず、何かあれば鎌田を下げることでやり繰りしている。9月の2試合はベンチの配分として、FWやウイングなど、点を取りに行く選手の割合が多かった。 中国とバーレーンは、ホームであろうとアウェーであろうと、確実に勝点3を計算しなければならない相手だ。もし、スタメンで点を取り切れずに終盤に入ったら、引き分け上等でゴール前をガチガチに固める相手から、1点をもぎ取らなければならない。 その状況は間違いなくカオス。スペースのやり取りで気が利く旗手よりも、小川や浅野といった最後を力尽くで押し切る選手が必要になる。その結果、真ん中の枚数を削り、旗手をベンチ外にしてでも、点を取る選手を増やしたのではないか。 一方、10月に対戦するサウジアラビアとオーストラリアは、より積極的にくる可能性があるので、日本の戦略、あるいは旗手の立ち位置は多少変わるかもしれない。こうしたゲームプラン次第で移ろうギリギリの1枠を、彼は行き来している状態だ。 旗手の定位置は崖っぷち。この苦況を変えるとしたら、チャンスはCLしかない。今季から始まる新方式のCL、リーグフェーズの第2節以降はドルトムント、アタランタ、ライプツィヒ、クラブ・ブルージュと対戦が続く。セルティックと旗手が国際戦で結果を残せば、旗手に対するほかの欧州クラブの見方が変わり、同時にスコットランドのカントリーランキングも上がる。 CLは大きなチャレンジだ。今後のキャリアが変わる可能性もあるし、何より欧州トップクラブを相手に通用することを証明すれば、森保監督の見方に影響を与える。 すでに最終予選が始まり、2026年のワールドカップまで2年を切った。今季は旗手にとっても、あるいは逆転メンバー入りを志す、ほかの選手にとっても、勝負のシーズンになる。 取材・文●清水英斗(サッカーライター)
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