生活習慣病予防だけじゃない! ウォーキング効果の“経済的価値”とファッション的価値
健康診断での数値が気になり、「運動を始めないと!」と焦っている30代男性にまずおすすめしたいのがウォーキングだ。 ▶︎すべての写真を見る
今回は健康ウォーキング指導士として活躍する佐藤雅臣さんに、ウォーキングの健康面でのメリットやウォーキングがファッションに与える影響についてもお聞きした。
そもそもウォーキングとは?
ーー最初に初歩的な質問ですが、いわゆる「ウォーキング」の定義とは何でしょう? ウォーキングは健康維持を目的とした「スポーツ」です。必ずしもスポーツウェアに着替えたり、ウォーキングシューズに履き替えたりしなくても、日常生活の中で歩くことを「意識」すれば、買い物の行きかえりや通勤なども「ウォーキング」と定義してよいかと思います。 運動がなかなかできなくても正しいハウツーを学んでしまえば、日常生活の、例えば自宅から駅までの往復などを「ウォーキング」に変えることができます。「何歩歩けば良いですか?」と尋ねられる方には、普段日常生活の中で歩いている時間を図ってもらって、それを1分だけ縮めることをおすすめします。 あるいは普段何歩歩いているかを図ってもらい、100歩縮めることをおすすめします。そうすることで、筋肉の使い方が変わってくるんですね。「意識を変える」というのはそういうことです。 ーーウォーキングとみなされる歩くスピードの目安はありますか? どちらかというと、スピードよりも姿勢を意識していただきたいと思っています。くせなどによる歪んだ姿勢のまま歩くと、身体のどこかに負担がかかり、ケガや故障の原因となりますから。 私のところに来られる方でも「1日1万歩、2万歩歩くんだけど、痩せない」とおっしゃる方がおられます。結果として無理をして、腰や膝を傷めるんですね。崩れた姿勢でダラダラ2万歩を歩くよりも、正しい姿勢で5000歩を歩いた方が効果的です。
ウォーキングの知られざる経済的価値
ーーウォーキングの身体的効果について教えていただけますか? ウォーキングの身体的効能は幅広く、高血圧改善、肝機能改善、糖尿病改善、腰痛改善などなど挙げればきりがありません。運動で骨を鍛えるのはなかなか難しいのですが、ウォーキングはかかとから地面に入るため、骨にも刺激を与えることができ、骨粗しょう症改善にもつながります。 ウォーキング一歩にどのくらい経済的価値があるのかを検証している研究者がたくさんいらっしゃいます。国土交通省の資料によると、歩くことが心身に及ぼす影響を考慮し、特定の集団の経年的な調査から医療費抑制効果を把握すると、一日一歩あたりの価値は0.065~0.072円といわれています。 ーーつまり、1000歩を歩いたら65円ということですね。先生が指導された方の中で、30~40代でウォーキングすることによって健康面での改善が見られた、具体的な事例があったら教えていただけますか? 社員研修や社会人を対象にしたセミナーを開いているのですが、中でもスポーツをやっている方はウォーキングによって、身体の土台である体幹を見直すことで前よりも動きやすくなったとか、俊敏性が上がったという方もおられます。 また、股関節を自分の意志でうまくコントロールできると、重心移動がうまくできるようになるため、ゴルフの飛距離も伸びるようになったという声もいただきました。 さらにパソコンや携帯ばかりみているとどうしても前かがみになるため、正しい姿勢でウォーキングすることで肩こり、猫背、腰痛も改善されますね。また、お腹を意識して歩くことでお腹周りのお肉も減らせます。