運営元の大誤算!? 台風とキャリーオーバーが引き起こしたサッカーくじMEGA BIGの異常事態
いつもより256倍当たりやすかった
MEGA BIGの対象試合は、通常「最大12試合」と決まっているが、今回は悪天候で4試合が中止となり、対象試合は8試合のみとなった。そのため1等の当選確率が12試合の時と比べ256倍も高い、約65,000分の1まで上がったのだ。 このチャンスに気付いた人がXなどにポストした結果、普段はくじを買わない人たちまでMEGA BIGの購入に走ったことで、売上は過去最高の約47.1億円を記録。1等の当選口数も269口と正に「当たりまくり」の事態となったのである。 当選口数に応じ、1等の当選金額も約2400万円と通常時よりも安くなったものの、還元率は約170%に。期待値(掛け金に対して確率的に得られる平均値)の上では1億円買えば1.7億円になって返ってくるという“バグ”とも言える状況が生まれたのだ。 ただ、いくら当選確率が上がったとしても「くじはくじ」。1口300円のくじが2400万円になる確率は約0.0015%と、決して高い確率ではない。 しかし、これが100万円分買った場合では、1等の当選確率が約5%、1000万円分では約50%にまで跳ね上がる。つまり、賭ける金額が高ければ高いほど「期待値」に収束するというわけだ。
「くじ」と言うより「マネーゲーム」?
この期待値の特性に目をつけたのが、普段から大金を投じてマネーゲームを繰り広げる「個人投資家」たちだった。 真意のほどは定かではないが、Xには総額で数千万円超をMEGA BIGに投じたというアカウントが複数現れたほか、500万円分の購入で1等当選を射止めた、などの勝利報告ポストも相次いだ。 今回の出来事について、ただひたすら「期待値を追う」といういかにも投資家らしい行動に、「分かっていても真似できるものではない」とその潔さを称賛する声があがる一方、「これは果たして、くじと言えるのか」と疑問を口にする人もいる。 たしかに、特殊な状況下だったとは言え、多額の余剰資金を投じることのできる「特別な人」の方が勝ちやすい仕組みは、「くじ」と言うよりも「マネーゲーム」と呼ぶ方が近いと言えなくもない。 特に、毎回コツコツとくじを買ってきた人たちにとっては、その“夢”の蓄積とも言える「キャリーオーバー」を、普段はくじを買っていない「金持ち」が掻っ攫っていく、という構図に見えて興醒めした人もいるかも知れない。