1500万円の6人乗りがついに登場! レクサスLMはトヨタのアルファード/ヴェルファイアと何が違うのか?
トヨタの高級ブランドであるレクサスからLMの3列モデルが登場し、話題を呼んでいる。つうわけで、自動車研究家の山本シンヤ氏が公道試乗をカマし、徹底チェック。その実力などを特盛り解説する!! 【写真】レクサス「LM500hバージョンL」の細部 * * * ■レクサスが取り組む〝味磨き〟活動 山本 今回試乗したのは、5月9日に追加発売されたレクサスLMの3列6座仕様のバージョンL。昨年10月に登場したLMは、2列4座(4人乗り)仕様のエグゼクティブのみの設定でした。 ――LMの6人乗りモデルはファンから熱視線を浴びていますが、お値段はいかほど? 山本 価格は1500万円。4人乗りの2000万円と比べればだいぶお安い(笑)。 ――ただ、LMのベースはトヨタ自慢の高級ミニバン、アルファード/ヴェルファイア(以下、アルヴェル)です。 山本 アルファードの最上級グレード(エグゼクティブラウンジ)が850万円ですから、650万円も高い。 ――LMにそれだけの価値があるんスか? 山本 口が悪い人はレクサスLMのことを〝レクサス版のアルヴェル〟と言います。多くの人が勘違いしているのですが、クルマの基本となるプラットフォーム(TNGA GA-K)は共通ですが、ボディ構造、パワートレーン、フットワークの考え方など中身は〝ほぼ別物〟です。 レクサスはLBXからLSまでニーズに合わせて多種多様なモデルを用意している。ただし、レクサスである以上は同じ乗り味、走り味が求められます。 その実現のため、現在のレクサスはブランドの〝味磨き〟という活動に力を入れています。各モデルのチーフエンジニアに加え、各領域のリーダーが一堂に会し、開発中のありとあらゆる技術を持ち寄って議論している。 ――どんな話をしているの? 山本 例えばレクサスのモデルと欧州車のモデルの剛性を計測すると、レクサスのほうが3倍以上も高い数値を示すそうです。でも、実際に乗り比べると、欧州車のほうが明らかに剛性は高いと感じる。当然、彼らは「何かが違うし、何かが足りない」と考えた。 そこで従来とはまったく異なる方法、指標で計測を行なってみると、明らかに足りない部分が見えてきた。つまり、車体を構成する上での〝黄金レシピ〟を見つけわけです。 ――どこが足りなかった? 山本 具体的にはフロントの先端、リアの後端、センタートンネル、バルクヘッド接合部の4ヵ所の剛性に着目したところ、走りがガラッと変わったと。この味つけをレクサスの全モデルに施し、〝味磨き〟活動のメンバーで試乗したら過去最高の統一感と乗り味に仕上がったそうです。 つまり、コンパクトだろうがミニバンだろうがSUVだろうが、「このクルマはレクサスだ!」と即感じられると。