妊娠しやすくなるって本当? 風邪薬「ミューシネックス」の服用が、妊活中の女性たちの間でトレンドに。その真意を米専門家医が解説
妊娠までの道のりは、決して簡単なものではなくストレスを抱える人も多い。赤ちゃんを授かる可能性を少しでも上げるために、自分が出来ることは何かないのか?と疑問に思っている人もいるだろう。体外受精や人工授精といった不妊治療法はあるが、高額かつ時間がかかることから、なかなか手が届かず、現代では日本をはじめ世界中でひとつの社会問題となっている。 【写真】意外と早い...。女性の「卵子の約90%」が失われるのは何歳か?卵子凍結へ一歩を踏み出したセレブも紹介 だからこそ、「ミューシネックスを服用して妊娠した」という驚きのニュースは、妊娠を望む多くの女性たちの間で瞬く間に話題となったのだ。あるTikTokの投稿では、「ミューシネックス・メソッド」として、最も妊娠可能性の高い期間に毎日ミューシネックスを服用することを推奨している。 「それが子宮頸管内(しきゅうけいかん)の粘液を薄め、精子が上りやすく、卵子のもとへ辿りつきやすくしてくれる」と、投稿主の女性は説明。この投稿には、「妊娠への一歩として、非常に役立つアドバイスをくれた」とポジティブなコメントが押し寄せた。 ミューシネックスを使って妊娠した、とさかんに褒めるのは彼女一人ではない。だが、本当に効果があるのだろうか? そして何より、本当に安全なのだろうか? 不妊治療の専門家に話を聞いた。 今回お話をうかがった専門家の方々: ジェイミー・アラン博士(ミシガン州立大学薬理学及び毒物学准教授)、 ピエトロ・E・ボルトレッリ医師( クリニックBoston IVFの生殖外科ディレクター)、デニス・ヴォーン医師(クリニックBoston IVFの不妊治療専門医)
ミューシネックスとは?
アメリカ国立医学図書館によると、ミューシネックスとは去痰薬グアイフェネシンを成分とする医薬品名の一つ。通常は、胸が詰まった時に気道内の痰を薄めて咳を出しやすくするのに用いられる。 妊娠するための秘訣として最も広まっている医薬品はミューシネックスだが、実は他にも、グアイフェネシンを含む薬ロビタシン(Robitussin)も妊娠を目指す女性たちの間で使われることが多い。(中には、グアイフェネシンを含むミューシネックスDMと、脳の咳を引き起こす部分の活動を低下させる成分デキストロメトルファンH Brを一緒に摂取する人もいる)