斉藤立、絶対王者リネールに惜敗もパリへ手応え「もう勝てる。何も怖くない。伸びしろしかない」
◆柔道 ▽GSアンタルヤ大会 最終日(31日、トルコ・アンタルヤ) 1日に新年度が始まり、多くのパリ五輪代表選手が進学、就職と新しいスタートを切った。柔道男子100キロ超級の斉藤立(22)はJESグループに入社。国士舘大での最後の試合となった3月31日のグランドスラム(GS)アンタルヤ大会(トルコ)は五輪連覇のテディ・リネール(フランス)に敗れ2位。強気にパリ五輪本番で雪辱を目指す。 * * * 絶対王者にあと一歩、届かなかった。男子100キロ超級の斉藤はリネールとの決勝。組み手争いで優位に立ち、積極的に足技を仕掛け、先に指導2を引き出した。だが、残り40秒を切ってから、強引な内股を返され、技ありで優勢負け。畳を下りると、通路で「あー! 何でや。勝負できたやろ…」と叫んだ。表彰台でも涙が止まらなかった。 五輪を2度、世界選手権を計11度制している第一人者とは昨年5月の世界選手権で初対戦し、延長の末、指導3で反則負け。組み手で制され、相手の試合運びのうまさを痛感させられた一戦となった。そこから1年弱。反省は残ったが「決勝はスタミナ切れも全然なかった。自分の方が圧倒的に攻めていた」と確実に成長は示した。リネールも「斉藤は五輪でも強敵になる」と警戒を強めていた。 パリ五輪前最後の大会で、リネールの背中を捉えたことは大きな収穫だ。大学生として最後の試合を終え、今月から男子日本代表前監督の井上康生氏がGMを務めるJESグループ入り。「もう勝てると思う。何も怖くない。自分はまだまだ強くなるし、伸びしろしかない」。五輪本番での雪辱へ、22歳は自らの可能性に自信をみなぎらせた。
報知新聞社