大谷翔平4タコも地区S突破 仲間を鼓舞し続け「勝ち切った」 立役者・由伸をナデナデ
「ナ・リーグ・地区シリーズ、ドジャース2-0パドレス」(11日、ロサンゼルス) 大谷翔平選手(30)と山本由伸投手(26)が所属するドジャースが、ダルビッシュ有(38)、松井裕樹(28)両投手のパドレスを3勝2敗で下して3年ぶりにリーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)に駒を進めた。大谷は4打数無安打に封じられたが、ベンチ最前列から仲間を鼓舞して戦い続けた。山本は5回2安打無失点の快投で第1戦のKO降板の雪辱を果たした。ダルビッシュは七回途中2失点と好投したが、打線の援護に恵まれなかった。ド軍は千賀滉大投手(31)擁するメッツと13日(同14日)に第1戦を迎える。 【写真】ド軍奥さま会 やっぱり真美子さんは謙虚ポジ 控えめなのに際立つ存在感 両こぶしに力を込め、勝鬨(かちどき)を上げながらベンチを飛び出した。マウンドに駆け寄り、最後のアウトを奪ったリリーフのトライネンと力いっぱいハグを交わした。フィールドに広がる歓喜の輪。「本当に勝ててよかった」。大谷が仲間たちと一緒に小さなジャンプを繰り返した。 2勝2敗で迎えた大一番。本拠地ドジャー・スタジアムをチケット完売、5万3183人が埋めた。 前日の会見で「個人的に楽しみ」と言った山本とダルビッシュの投げ合い。大谷は第2戦で完敗を喫した38歳右腕にリベンジすべく、攻撃の先陣を切ったが、厳しい打席が続いた。それでもファイティングポーズは崩さなかった。いつもなら、次の打席を待つ間は室内ケージで調整するが、この日はベンチ最前列に陣取って打席に立つ仲間たちを鼓舞した。 二回に7番K・ヘルナンデスが先制ソロを打った直後にはベッツらとベンチの前まで飛び出し、歓喜の“かめはめ波ポーズ”。初めて見せた行動は勝ちたい気持ちの表れだった。 先発の山本が5回2安打無失点の快投。自分より身長が15センチ低い後輩が意気揚々とベンチに帰還するとハイタッチで出迎えて頭をなでなで。「相手を寄せ付けないような圧倒的なピッチングだったなと思います」と絶賛した。 ずっと夢に見てきたポストシーズンの舞台。ヒリヒリした戦いを制し、「誰が出ても一生懸命、チームプレーで試合をつなぐんだという気持ちが前面に出た。ロースコアでしたけど、勝ち切った。みんなでものにしたシリーズだった」と満足感を漂わせた。 昨季から定着した勝利の儀式、高級テキーラ「クラセアスール」の一気飲みで始まったシャンパンファイトでは喜びを爆発させた。山本がテレビのインタビューを受けていることもお構いなし、奇声を上げてシャンパンの集中砲火を浴びせた。自身も全身ずぶぬれになって笑顔を見せた。 第3戦を1点差で落とし、崖っぷちに立たされた夜、大谷は言い切った。「『後がない』とかの感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOK。そういうゲームだと思います」。持ち前のプラス思考で3年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出に貢献した。 次なる相手はワイルドカード3位から下克上で勝ち上がった“ミラクルメッツ”だ。「初戦が大事だと思うのでまずはしっかりそこに合わせて。今日はみんなで喜んで次に向けて頑張りたい」。究極の目標、ワールドチャンピオンまでの険しい道のり。まずは第一関門を突破した。