「近藤のバッティングは僕に聞かないでください」から見えた"信頼関係" 日本シリーズ進出を決めたSB小久保監督の言葉の意味とは
ソフトバンクは10月18日に行われたCSファイナルS第3戦(みずほペイペイ)、日本ハムを3-2で下し、1勝のアドバンテージを含め、4勝0敗で突破。シーズン同様、圧巻の強さを見せた。 【動画】山川は3試合連続打点となる先制適時打をマークした まさに横綱野球だった。勢いに乗って福岡に乗り込んできた日本ハムにスイープと力の差を見せつけた。 第2戦も2発と圧巻の打撃を見せた山川穂高がこの日も初回二死一塁から右中間へ先制二塁打をマークと攻撃の起点を作ると、2-2で迎えた4回二死一、三塁から周東佑京が山崎福也の高めに浮いたシュートを左翼に流し、勝ち越した。 「5番・DH」で先発した近藤健介も4安打と打つべき人が打った。 終盤は勝ちパターンのヘルナンデス、守護神オスナの3連投と手綱をしっかり締め、1点差のゲームを勝ちきった。 CSファイナルの最優秀選手賞には打率5割、3本塁打、6打点の大暴れとなった山川が受賞した。 また注目を集めたのは試合後の優勝監督インタビューにもあった。 小久保裕紀監督は右足首の負傷で戦前は出場も危ぶまれた近藤の打撃について聞かれると「シーズン中からも言っているんですけど、近藤の打撃は僕に聞かないで下さい!(自身とは)レベルが違うので」と笑顔。自身も現役時代は2000本安打を達成した球界屈指の好打者だったが、ユーモアを交えた返答でファンを喜ばせた。 近藤は昨年FAで日本ハムから移籍。加入初年度から本塁打、打点の二冠王に輝いた。今季も打率「.314」で首位打者に輝くなど、チームに貢献した。また球界屈指のスラッガーを最大限に褒めたたえると、目を向けたのは、ファイナルSでは出番のなかったベテランだった。 同じくインタビューの中では3連投となったヘルナンデス、オスナの起用に関して「リードした状態で3試合とも(終盤を)迎えられたのでそういう起用になったが、まだまだベンチには劣勢になったときの代打・中村晃。結局使わずじまいだったので、日本シリーズで暴れてもらいましょう!」と出場を果たせなかったベテランの名前をあえてあげ、チーム全体の士気を高めることも忘れなかった。 ベンチで聞いているナインの顔も皆、笑顔。小久保監督との厚い信頼関係がかいま見え、この関係性こそがチームVに導いた原動力ともいえそうだ。 迎える日本シリーズで引き続き、王者の姿を見せられるか。日本一までの道のりも引き続き、注目を集める。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]