【定年後・60歳からの働き方①】資格は需要や注目度ではなく、「学びたい」で選んで。 好きで学んだ資格は、新しい世界の扉を開くはず!
資格取得はその業界への「入場切符」のようなもの
紫乃ママ:それから、「資格」というものを全部ひとまとめにして語ると、なんだか話がごちゃごちゃになってしまって、何がしたいのかわからなくなってしまうので、まずは整理して考えたいですね。 世の中には、「資格がないとその職業に就けない」という業種がありますよね。医者、弁護士、税理士、会計士、看護師など。 それはもう、その仕事に就きたいと思うなら取るしかない。 でも、今、ここで話題に出ているのはそういう資格ではないですよね? それ以外の、資格がなくてもその仕事には就けるけれど、持っていたら役に立つかもという種類の資格。 そういう資格の場合は、本当のところを言えば、資格を取っても取らなくても、稼げる人は稼げるし稼げない人は稼げない、ということが多いと思います。 ですから、まずは「この資格を取ったら必ず稼げる!」なんていうものはないということを認識することが大切ですね。 でも、だからといって資格をとることがムダだということではないですよ。 ただ、「なんのためにその資格が欲しいのか」ということをもう一度考えてみる必要はあるのではないでしょうか。そして、その資格を取って、その後、自分はどうなっていきたいのかを考えてみることからスタートしないとね。 私の場合は、55歳で社会福祉士の資格を取りましたが、それは単純に「福祉について知りたい」「勉強したい」と思ったから。 私はキャリアコーチングの仕事をしてきましたが、いろいろな人の相談を聞いていると、福祉のお世話になるべき状況の人も、中にはいるということがわかってきたんです。それで、そういう人たちにアドバイスをして、福祉とつなげてあげるためには、私自身、福祉の知識が必要だと思いました。 それで、まずは福祉の全体像を知るために、系統立てて勉強したいと思って社会福祉士の資格を取ることにしました。社会福祉士の資格取得のための勉強をすることで、行政がやっている福祉についてまず、広く浅く知ることができました。 ですから私は、資格というのは、その業界に入っていくための入場切符みたいなものではないかなと思っています。 自分がこれまで知らなかった業界に入っていく際、何も知らずに入っていくわけにはいかない。その業界でずっと働いてきた人たちに対するリスペクトという意味でも、最低限のベーシックな知識を学んでおくといいのでは。 資格はそういう「最低限の知識を身に付けていますよ」ということを証明するものではないでしょうか。 ですから、その資格を取ったからといって「その業界でやっていけます、稼げます」というお墨付きをもらったわけではないです。ただスタート地点に立てたというだけ。そこからその資格を使って稼げるようになっていくかというところには、また別の能力が必要です。でも、そのスタート地点に立つための切符(=資格)を手にしたというだけでも、そこから世界はすごく広がっていくと思いますよ。