センバツ交流試合 大分商・明豊、甲子園の土踏める! /大分
センバツ大会の切符を手にしながら夢を絶たれた32校が、出場機会を得た甲子園での交流試合。23年ぶりの出場を決めていた大分商も、昨春ベスト4入りした明豊も、喜びの声をあげ、甲子園の土を踏めることを前向きに捉えた。【辻本知大、河慧琳】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 ◇「憧れの舞台うれしい」 大分商 今月1日からチーム練習を再開させていた大分商。だが、夏の甲子園も中止が決まり、全国出場の機会が奪われかけていた。 岩﨑竜也副主将(3年)は「センバツが中止になったときは『また夏の大会がある』と仲間が励ましてくれた。それも中止になったときは、もうチームメートと野球がやれないのかと泣いてしまった」と振り返る。 しかし、この日、交流試合開催の連絡が届いた。「正式に甲子園に立てる、試合をさせてもらえるという決定がでた」。渡辺正雄監督(47)は涙を浮かべて喜んだ。 岩﨑副主将は「小さいころから憧れた舞台。甲子園で、3年間の高校野球を終えられるのはうれしい」と顔をほころばせた。 エースの川瀬堅斗主将の兄は大分商OBで、プロ野球・ソフトバンクの川瀬晃選手。「兄ちゃんは県予選の決勝で負けて、一番悔しかったと思う。その思いも背負って、甲子園を目指していた。全国の皆さんに大分商業の野球を見せつけたい」と意気込んだ。 ◇「仲間とプレー楽しみ」 明豊 明豊ナインは交流試合の開催を赤峰淳部長(37)から告げられた。突然舞い込んだ知らせに、選手らは驚き、それから喜びに浸った。 若杉晟汰主将(3年)は「夢の舞台で、仲間とプレーできるのが本当に楽しみ。主将としてエースとして、甲子園のマウンドは譲らない」と意気込んだ。 甲子園出場の夢を実現するため、大阪から越境入学した布施心海副主将(同)は「1試合でも試合ができるのはうれしい」と感無量の表情を浮かべた。「甲子園に出られない人たちのためにも中途半端な試合はできない。世の中に少しでも元気を与えられるように、野球を楽しんでいる姿を見せたい」と気を引き締めた。 「センバツに続いて甲子園も中止になり、選手たちは苦しい思いをしてきたと思う。今回の開催は彼らにとっての励みや希望になる」と赤峰部長。川原俊成保護者会長(50)は「無観客試合は少し寂しいが、子供たちの努力の結晶を発揮し、活躍する場ができて良かった」と喜んだ。