BABYMETALが主催する「FOX_FEST」。世界のどこにもない新たなメタルフェスをレポ!
BABYMETALによる主催フェス「FOX_FEST」が、5月25日と26日の2日間にわたって、埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催された。 【全ての写真】BABYMETALが主催する「FOX_FEST」(全13枚) 出演者はBABYMETAL、ELECTRIC CALLBOY、POLYPHIA、Bilmuri、METALVERSE(Guest Band ASTERISM)の5組。一般的に思い浮かべるフェスからするとアクト数は少なめだが、あちこち移動することなく1組1組のライブをじっくりと堪能できたことを考えると、この形でもフェスとしてしっかり成立するとよくわかったし、何よりメタルという音楽が非常に幅広く、とても楽しい音楽だということを改めて示してくれたという点でかなり意義のあるフェスであり、メタルの入口としても十分に機能する2日間だった。 自分は2日目に参加した。会場に入ると、アリーナ内ではDJによる音楽が流れていたのだが、この時点からすでに普通のメタルフェスとは違っていた。もちろん、選曲のベースはメタル。しかし、その合間にサカナクション「新宝島」やマルーン5の曲が普通にプレイされていた。こんなところからも「FOX_FEST」の従来の型にはまらない自由な雰囲気が演出されていたと言える。 開演時間の14時半直前になると出演者の紹介があり、定刻にOPENING ACTとして赤子金属が登場。赤子金属を英訳するとBABYMETAL。そう、ステージに登場したのは彼女たちだった。3人は「メギツネ」のリミックスバージョンをパフォーマンスしたのだが、誰もマイクは持たず、ダンスに専念。披露したのは1曲のみだが、それはすごく新鮮な光景だった。 ゲストバンドのASTERISMを従えたMETALVERSEが現れ、いよいよ本編のスタート。METALVERSE初のメタルフェスという大舞台にもかかわらず、20分間にわたって物怖じしないパフォーマンスを見せつけた。1曲目「Crazy J」で定番のコールアンドレスポンスを交わした際にはフロアの奥のほうまでリアクションがあり、彼女たちの存在が浸透していることが伝わった。Official髭男dism「Cry Baby」をカバーするという予想外の展開(1日目はLiSA「紅蓮華」)のあとは、ASTERISMのソロコーナーやMETALVERSEメンバーのダンスソロも盛り込み、魅力をギュッと凝縮。爽やかにステージをあとにした。 ギター、ドラム、アルトサックスという珍しい編成のバンドで登場したBilmuriは、元Attack Attack!のJohnny Franckによるソロプロジェクトだ。Bilmuriの音楽性は非常に多様でポストハードコアやメタルコアなどはじめ、さまざまな要素を感じさせるが、Franckによる甘いボーカルやキャッチーなメロディの力もあり、ジャンルにそこまで詳しくない人にとっては「一風変わったポップス」として響いてもおかしくない。自分も、ノーマルなメタルフェスで彼の音楽に出会っていたらきっととまどっただろうし、まっすぐに受け止め切れなかった可能性が高い。 しかし、「FOX_FEST」という場所だったからこそ、Bilmuriの何たるかを比較的よく理解できたんだと思う。彼は、「こうして日本にいられるのはこれまでで最高な瞬間だ!」とMCで喜びをあらわにするなど、親日家っぷりを存分に見せつけたこともあり、この2日間で多くの新規ファンを獲得したのではないだろうか。しかし、振り返ってみればそれはBilmuriに限った話ではなかった。