フリーランス保護へ一歩、新法11月1日施行…買いたたき禁止・報酬明示など義務化
違反行為があった場合、公取委などが指導や勧告を実施。勧告に従わない場合は命令や社名公表に踏み切り、命令に違反すると50万円以下の罰金が科せられる。公取委はフリーランスの労働環境改善に向け、「迅速に違反の取り締まりを進める」(武田雅弘フリーランス取引適正化室長)構えだ。
フリーランスらが加入する「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」の平田麻莉代表理事は「口約束で働かされ、後から報酬を減らされるなど、フリーランスの取引は無法地帯だった。新法施行による抑止効果への期待は大きい」と話す。
もっとも、企業側の意識改革はまだ進んでおらず、「臨機応変に仕事内容を変更できなくなる」などとして条件明示などを渋るケースもあるという。平田氏は「違反企業を政府がしっかり取り締まり、『これは守らなければならない』と企業に思ってもらうことが大事だ」と指摘する。
◆フリーランス=会社などに属さず、主に個人で仕事を引き受ける人を指す。ITエンジニアやアニメーター、ライター、通訳などが代表的。「ウーバーイーツ」など料理宅配の配達員も新法の保護対象になる。リクルートワークス研究所によると、フリーランス人口は副業も含め約390万人(2023年)で全就業者の約6%を占める。