子どものやる気引き出す声掛け 「押しつけ」と「意識づけ」の大きな違い
子どものやる気を引き出すのは難しいもの。無気力な子どもにもどかしさを感じ、「もっとやる気を出して!」声をかけたことがある親御さんも多いのではないでしょうか。 しかし、このような押し付けの言葉は子どもにとってあまり意味がありません。 【図】最近注目を集める「勉強だけでは身につかない力」とは? 中山芳一先生の著書『マンガでやさしくわかる非認知能力の伸ばし方』より、親が心掛けたい「意識づけ」の言葉についてご紹介します。 ※本稿は、中山芳一著『マンガでやさしくわかる非認知能力の伸ばし方』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです。
押しつけではなく意識づけが大事!
意識づけは、「押しつけ」と対比させて使っている言葉です。 自分自身の非認知能力は自分が伸ばそうとして初めて伸ばすことができるものです。 たとえば、なかなかやる気になれない子どもに「もっとやる気を出しなさい!」と押しつけてみたところで、いきなりやる気を出して積極的になることはないでしょう(もちろん、その場限りで、やる気を出しているふりができる子どもはいますが……)。 みなさんが子どもだったときのことを思い出していただいても同じようなことがなかったでしょうか? 結局のところ、自分の中で「もっとがまんしなきゃな」とか「やる気を出していこう」とか「友達にやさしくなりたい」という意識を持つことができるかどうかが、自分自身のなんらかの非認知能力を伸ばしていく上では大事になってくるわけです。 そうなると、外側からの押しつけではそれは難しいことがおわかりいただけると思います。 それでは、押しつけではない意識づけとはどのような関わりなのでしょうか? この意識づけとは、お子さんがその気になれる「きっかけ」を提供するイメージになります。 今一度、みなさんが子どもだった頃を思い出してみてください。 あの人のあの一言でやる気になれたとか、ハッと気づかされた、といった経験はありませんか? 私も子どもの頃にそんな経験がありましたし、そのことを今でもよく覚えています。 私たちにとって、その一言は決して押しつけではありません。単にあの人が怖いから言うことをきかないと……といった押しつけではなく、自分の中で本当に必要(大切)だと思えたことだったはずです。 このようにお子さんが自分自身の意識へつなげていけるような関わりのことを(押しつけではなく)意識づけと呼んでいます。