<富野由悠季監督>「G-レコ」10周年 ファンに感謝も「君たち、いい加減にせぇ!」
人気アニメ「ガンダム」シリーズの「ガンダム Gのレコンギスタ(G-レコ)」のテレビアニメ放送10周年を記念した上映イベント「Gのレコンギスタ10周年記念イベント ~これが我々のレコンギスタです!~」が11月16日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催された。劇場版全5部作を上映するイベントで、舞台あいさつを含めて約9時間半のイベントとなった。 【写真特集】富野節さく裂 アツい10周年イベント 写真を一挙に
舞台あいさつに、富野由悠季総監督が登場し、「君たち、いい加減にせぇ! 15周年になったら、今83歳の爺ちゃんが、いくつになるか知ってる?って話です。とは言いつつ、こういうことが言えるのは皆さん方がいらっしゃるからです。ありがとうございます」とファンに感謝。「今後とも末永く応援してくれ……とは言いません。僕自身、寿命があります。ですが、作品は残ります。図々しいことを言います。(作品を)後続部隊に伝えるようにしていただけるとうれしいなと思います。今日に限って言えば、長時間、我慢して見てください」と呼びかけた。
舞台あいさつには、アイーダ・スルガン役の嶋村侑さん、ノレド・ナグ役の寿美菜子さん、キャラクターデザインの吉田健一さん、メカニカルデザインの安田朗さん、バンダイナムコフィルムワークスの仲寿和プロデューサーも登壇した。
吉田さんが描き下ろした10周年記念イラストの話題になると、仲プロデューサーは「キャラクター20人くらいでお願いして、それでも無茶だな」と思っていたというが、吉田さんは70人以上を描いた。吉田さんは、線画で3日間、完成までに3週間で仕上げたといい、富野監督は「本当にすごいねぇ。これだけのキャラを描ける人はそうそういませんよ」「これがプロの底力なので、イラストレーターになりたいという人は、こういう人をサンプルにして、超えなくちゃいけない」と語った。
SNSで実施された「地球人はG-レコを見ればいいのだ!」キャンペーンで投稿された同作への思いや作品の解釈も紹介され、富野監督は「上手に短くまとめていただいていて、お世辞ではなく、ありがとうと言うよりありません」と深く頭を下げた。「現実と『G-レコ』での経験がつながっている」「実際に体験してみることの大切さを学ばせてもらった」という投稿もあり、富野監督は「生活の中で『G-レコ』を通して自覚してくださるというのは、作り手としてとってもうれしいことで、プライドをいただけたと感じます」と顔をほころばせた。