パリ五輪の「初老ジャパン」馬術総合団体北島、田中両選手に奈良県スポーツ特別功労賞
パリ五輪馬術の総合馬術団体で銅メダルを獲得した北島隆三(39)、田中利幸(39)両選手に奈良県スポーツ特別功労賞が授与され、26日、県庁で表彰式が行われた。日本が馬術でメダルを獲得したのは、1932(昭和7)年のロサンゼルス大会以来、92年ぶりの快挙。メンバー4人の平均年齢が41.5歳だったことで、自らを「初老ジャパン」と名乗り、話題にもなった。 [写真]知事と一緒に写真に収まる北島(右)、田中両選手=26日、県庁
神戸市出身の北島選手は練習環境の整う天理市内の乗馬クラブに通うため、県立山辺高校(奈良市都祁友田町)に入学。3年生の時、同校にも乗馬部ができ、その年のインターハイに出場し準優勝を果たした。明治大学卒業後、乗馬クラブクレインに就職、現在はイギリスを拠点に競技生活を続けている。 一方、福岡市出身の田中選手も大学を卒業後、クレインに入社。クレインオリンピックパーク(天理市)で指導員として活動する傍ら、2011年の山口国体では県代表として出場し優勝するなど活躍。現在は北島選手と同様、イギリスに拠点を置き活動している。 表彰式で山下真知事は「県民に勇気と希望を与えたことに敬意と感謝の意を表します」と労をねぎらった。同賞は1996年に創設され、これまでに県出身や縁の深い20人に授与されている。 式典後の会見で、五輪3大会連続の出場となった北島選手は今回のオリンピックについて、「戦えるぞ、と大会に臨みチームが一丸となり、いい仕事ができた」と振り返った。
田中選手は「帰国後、メダルの重さを実感した。まだまだ若いので初老とは思っていない。僕たちが活躍することで馬術というスポーツをもっと知ってもらいたい」と話した。 両選手は1年の大半をイギリスで過ごしているが「天理市内に美味しい餃子屋さんがあり、よく行った」と懐かしみ、「県内をはじめ全国で馬と気軽に出会え、触れて乗れる環境が整えば」と願った。2028年に開催予定のロサンゼルス五輪を目指し、来年1月末、イギリスに旅立つ。