「無意識だからタチが悪い」不幸せなSNS習慣の見直し方
Doomscrollingへの対策。誰でもできて、すぐ実感
1. 何がきっかけか、を認識する 不注意なSNS利用が、いつDoomscrollingに変わるのかを認識することが重要です。そのためには、なぜスマホを手に取ってしまうのか、スマホを手に取るとどう感じるのかを、考える必要があるでしょう。 あなたは、暇になるとついXやFacebookを開けてしまい、たちまちネガティブな感情にとらわれてしまうのでしょうか。 それとも、最新ニュースを見逃してしまうかもしれない、と考えただけで不安になり、スマホを開けて最新ニュースを読みふけり、もっと不安になってしまうのでしょうか。こうしたことは、あなたがスマホへの依存症に苦しんでいるかもしれないサインです。 2. Doomscrollingを、ほかのことに置き換える Doomscrollingをやめるための次のステップでは、その習慣を何か別のものに置き換えることが重要です。 スマホを手に取り、Xで悲惨なニュースをスクロールしたり、Redditでとんでもない人たちについての投稿を読んだりする代わりに、嫌な気分になることがない刺激的な活動を選びましょう。 休憩中に自分がSNSを見ようとしているのに気づいたら、オンラインでパズルをしたり(紙とペンを使うクロスワードでもいいでしょう)、立ち上がって数分間体を動かしたり、ちょっとテレビを見たり(ニュースはやめたほうがいいかもしれません)、ビデオゲームをしたりしましょう。 3. スマホは、目に入らないところに置いておく Doomscrollingの代わりにやることを見つけたら、それをしているときは、スマホを手に取ることがないようにしましょう。 自分の自制心に頼ってもかまいませんし、別の部屋に置くなどの方法でスマホへのアクセスを制限し、強制的にスマホから離れてもいいでしょう。 4. ニュースやSNSを見るスケジュールを決め、それを守る もうひとつの方法は、ニュースの読み方を調整すること。そのためには、ニュースを読む時間を決めることです。つまり、毎日決まった時間にだけニュースを読むことにするのです。 これは、SNSのニュースを受け取らないようにすることにもつながります。ニュースを受け取る代わりに、新聞や、あなたが信頼するニュースソースのホームページに、直接アクセスするのです。紙媒体のニュース週刊誌にこだわってもいいでしょう。 私が見るところ、紙の出版物は、幅広いトピックを押さえている傾向にあります。アルゴリズムが選んでくれるものだけではありませんし、どこが終わりかも明確です(最後のページまで読んだら終わりです)。 5. 自分の生活に実際に影響する、地元のニュースや出来事に注目する 世界のニュースや国内のニュースの見出しを読むと、自分が何もできない、どうにも影響を与えられない出来事、しかも短期的には自分の人生に直接の影響が出ないであろう出来事について、不安を感じてしまう──。 そういう人は、もっと地元のニュースを読むようにしましょう。 取り上げられている問題は、世界で起きているどんな政治ドラマよりも、自分の生活にずっと関係があるものが多いですし、それに対して自分ができることももっと多いでしょう。 6. 「Doomscrolling」を「Joyscrolling」にする 最後に、スマホから離れられそうもないという人は、いつも世の中の恐ろしいことばかりを知らせてくるSNSのフィードを調整してみてはいかがでしょうか。 つまり、Doomscrollingではなく、楽しいニュースばかりの「Joyscrolling」を心がけるのです。 見ていて楽しくなることを投稿しているアカウントを、たくさんフォローしてください。 そして、どのSNSを使うにしても、ブロックやミュートなどの機能を活用してください(私のソーシャルネットワークは、「Musk(マスク)」という単語を使っている投稿をすべてブロックしたら、軒並みずっと快適になりました)。
結論
特効薬は人によって違いますが、Doomscrollingという習慣を絶つ方法をまとめてみましょう。それは、「SNSがいつ、あなたを惨めな気持ちにさせるかに気づき、それが起こらないよう意識的に活動すること」です。 何に意識を向けるかは、もしかすると、あなたが日々行う決断の中でも、いちばん重要なことかもしれません。それが、あなたの意識を形成するからです。 ですから、自分の意識を恐ろしいニュースに向けて惨めな気持ちになるのではなく、何かほかのことに向けるようにしましょう。 Source: SCIAM, TMB
浅野美抄子(ガリレオ)