“天空の城”竹田城 入城者数50万人超えへ
天空の城として人気を集めている兵庫県朝来市の国史跡・竹田城の入城者数が、年間50万人に達する見込みとなったことが、5日までに分かった。昨年4月~2月までの11ヶ月での入城者数は46万8596人。昨年度1年間の入城者数23万7638人のおよそ倍の数字となっている。昨年は3月の入城者数が2万2000人だったことや、昨今の竹田城ブームもあり、早ければ、3月上旬にも50万人に達する見込みだ。
2005年度には、わずか1万2000人だった入城者数だが、2010年ごろから話題となり、2011年度は約10万人、2012年度は約23万人と、観光客の人気を集めており、2013年度はテレビCMなどの影響もあり、50万人の大台に届く見込み。これは山城では、ダントツの数字で、全国のお城での入城者数でもトップ10入りする勢い。2012年度の10位だった小田原城(神奈川県)が49万5000人だったことを踏まえれば、それを上回る可能性がある。 一方で、史跡の保護の問題も表面化している。想定を超える入城者数で、石垣にもほころびが目立ち、現在、大掛かりな修復作業を行っている。3月20日に今シーズンの開城(閉城期間も、徒歩による登城は可能)なるが、当面、歩行ルートを制限する予定で、史跡の保護を最優先に行う。「将来的にどうやっていくかは、わからないが、今季は見学ルートを設定し、土のうを敷いて、そこを観光客の方に歩いてもらうことになります。3月10日、12日、18日の3日間は入山を完全に禁止し、土のうを設置する作業を行います」(朝来市関係者)。
天守閣の工事は、開城後も継続して行われるため、城内にも警備員を配置して、安全管理に努める。昨年までは、中腹の駐車場まで一般車両の乗り入れが可能だったが、今季は竹田駅前と城跡間を周遊する「天空バス」と観光バスのみ、利用可能となる。「去年は、いろいろ事故も起きたので、安全に見学してもらえるように努めたい。また、地域の宝を守っていこう、という機運になっており、丁寧に丁寧に修復作業を行っています。自由に見学してもらえないのは、申し訳ないが理解してほしい」と前出の関係者は話した。 入城料は300円、団体250円で消費税増税後も、据え置きとなっている。料金所にはこれまで仮設だったトイレを常設化し、観光客への配慮も行っている。