「決断正しかった」と将来言ってもらえたら ホンダ、日産社長が会見
ホンダと日産自動車は23日、経営統合に向けた協議に入ると発表した。ホンダ・三部敏宏社長、日産自動車・内田誠社長の記者会見での主な発言は次の通り。 【図】国内自動車メーカーの協業関係 ――統合協議を始める理由は? 三部社長 モビリティーの変革をリードするには特定分野の協業ではなく、もっと大胆に踏み込んだ変革が必要という認識を共有するに至った。個々のブランドを相互に尊重し、経営資源を融合して相乗効果を生み出していく。 内田社長 事業環境は想定を上回るスピードで変化している。どちらが上、下ではなく、ともに未来をひらく仲間として信頼関係を構築することで、5年後、10年後に「今回の決断は正しかった」と従業員をはじめステークホルダーに言ってもらうのが一番の願いだ。 ――ホンダによる日産救済ではないのか? 三部社長 救済ではない。将来の競争力を持つための経営統合の検討だ。日産のターンアラウンド(事業再生)が絶対的な条件であり、企業価値の向上というゴール達成には2社の自立が前提になる。日産とホンダが自立した2社として成り立たなければ、経営統合の検討が成就することはない。 ――台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が日産の経営権取得に動いているとされる。 内田社長 いろいろな報道があるが、当社へのアプローチという事実は一切ない。 三部社長 鴻海の動きをつかんでいないので、質問に答えられない。 ――ルノーやゼネラル・モーターズ(GM)との提携関係に変化はあるのか? 内田社長 ルノーとはプロジェクト別に相乗効果のあるものは続けていく。 三部社長 日産との協議があるからといって、GMとの関係を変えるつもりはない。日産とホンダのみならず、ルノーやGMとのつながりは我々の強みになる。 ――経営統合による規模拡大で新興勢力に勝てるのか? 三部社長 規模感だけでは勝てない。我々既存の自動車会社がやってこなかったようなスピードで競合は進化している。経営統合だけで勝てるかというと、そんなに甘いものではない。どうすれば追いつき、追い越せるのか。今一度、世界をリードするための一歩目と理解してほしい。