売上増を目指すならパワハラ上司をどうにかしろ 「当たりのキツイ上司」への対応が最優先課題に
仕事の依頼はたくさんきている。でも人が足りないから、これ以上仕事を受けられない。 今、こういった会社が増え、人手の確保は喫緊の課題となっています。 そのため、多くの部下を辞めさせるパワハラ上司が会社にもたらす悪影響はより深刻になり、どう対応すればよいかと頭を抱える会社が後を絶ちません。 そこで、経営心理士として1200件超の経営改善を行い、経営心理士講座を主宰する、一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田耕司氏の著書『離職防止の教科書――いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版』から一部を抜粋・再編集し、パワハラ上司にどう対応すべきかについてお伝えします。 【書籍】「離職の理由と対策が体系化されている」「事例が豊富で明日から使える」と話題の『離職防止の教科書』
■最後に勝つのは「人が根付いて育った会社」 私は経営心理士、公認会計士として、心理と数字の両面から経営改善をする仕事をしています。 その中で、今、「売上を伸ばすために注力すべきこと」が大きく変わりつつあると感じています。 お客様である建設関連の会社の社長がこんな話をされました。 「うちは技術者が足りてないので、これ以上仕事を受けられないから断ってるんです。 それで他の業者に行ってもらうんですが、他の業者も受けられなくて、一周回ってまたうちに来るんです。『頼むから受けてくれないか』って。
こんな状況ですので、技術者を育てられればまだまだ売上は伸ばせるんです。でも最低5年はかかります。それまで辞めずに育ってくれるかどうか。 結局、最後に勝つのは人がちゃんと根付いて育った会社なんですよ」 仕事の依頼はたくさんきている。でも人が足りないからこれ以上仕事を受けられない。 そういった会社では、売上を増やすためには営業ではなく、採用に注力します。そして、今いる社員に辞められないように、離職を防ぐことに注力する会社もかなり増えています。
というのも、私のところにはさまざまな経営相談が寄せられますが、昨今「社員の離職を防ぎたい」という相談が増えており、また私が主宰する経営心理士講座も「部下の離職を防ぎたい」という理由で受講する方がかなり増えているのです。 ■多くの部下を辞めさせる当たりのきつい上司 離職の原因としてまず挙げられるのが、「上司の当たりのきつさ」です。 感情的に叱る、言い方がきつい、過剰に急かすといった上司の当たりのきつさに耐え切れず部下が辞めるケースは多いものです。