“電気のワーゲンバス”を試乗レビュー!日本導入が待ち遠しい「ID.BUZZ GTX」の魅力
公用車にも使われるほどミニバン人気の昨今。「ドライブも楽しいモデルを」と言うなら、コレ。フォルクスワーゲンが、2024年6月に欧州で発表した「ID.BUZZ GTX(アイディーバズ GTX)」だ。 日本導入はもう少し先だが、ひと足先に自動車ジャーナリストの小川フミオがドイツで試乗してきた。
“ワーゲンバス”の電気版が「ID.BUZZ」
ちょっと変わった車名を分析すると、「ID.」はフォルクスワーゲン(VW)が手掛けるバッテリー駆動のピュアEVのシリーズ名。日本にもSUVモデルとなる「ID.4」が既に導入されている。 BUZZ(バズ)は、ダブルミーニング。ひとつは、このモデルのオリジンともいえる1950年登場のタイプ2(タイプ1はビートル)に設定されたマイクロバスの“バス”。もうひとつは“バズる”車であってほしい、ということ。
2022年に標準モデルともいえるシングルモーター後輪駆動モデルが登場したとき、私はコペンハーゲンで試乗した。小さくないボディだが、意外なほど良く走った。そして、良く目立った。 走行したデンマークやスウェーデンで、やたら通りすがりの人に手を振られた。フロントマスクを中心としたキュートなルックスのせいだろう。私の個人的体験からすると、北ヨーロッパの路上で知らない人から好意を見せられたことがほとんどないので、ID.BUZZはヒットするだろうと確信した。
スポーティなモデルの「ID.BUZZ GTX」
商品力をさらに強化すべく今回追加設定されたモデルが「GTX」で、4MOTION(フォーモーション)と名付けられた2モーターの全輪駆動となる。試乗したのは、GTXのロングホイールベース仕様だ(標準のホイールベース仕様もラインナップされる)。3列シートの6人乗りは、ロングホイールベースのみとなる。 シルバーと赤の塗り分けがいかにもスポーティな雰囲気。ロードホイールは21インチで、タイヤの扁平率は前が40パーセント、後ろが45パーセントと、ミニバンとしては結構薄い。