“電気のワーゲンバス”を試乗レビュー!日本導入が待ち遠しい「ID.BUZZ GTX」の魅力
加えて、固められた足回り。ドライブすると、ちょっと硬めのサスペンション設定と、クイックなステアリングが印象的だ。3239mmのロングホイールベースに全長4962mmのボディを載せたモデルだけれど、ソリッドで、VWのラインナップでいえば、ゴルフを操縦しているのと、そう変わらないような気がしたほどだ。 シングルモーターをリアに搭載した標準モデルのロングホイールベース版にも、同時に乗るチャンスに恵まれた。こちらは快適性が強い。路面の凹凸をうまく吸収してくれるし、シートのクッションもより柔らか。快適な移動を求めるなら、標準モデルのほうがいいだろう。
GTXは、シートもホールド性を追求したデザインで、全体にブラックと赤など、スポーティなモデル専用の演出が随所に施されている。ミニバンでこのディテール、というミスマッチ感が妙に楽しかった。 バッテリー容量は86kWhで、システムトータルの最高出力が250kW(340ps)、最大トルクが580Nm。そこでどの速度域においても、アクセルペダルを踏み込んだとき、一瞬で加速に移る。 ドライバーの操作にダイレクトに反応してくれる設定で、後席乗員のためのショファーでなく、ドライバーが主役と考えるオーナーに評価されそうだ。
待ち遠しい日本への導入時期は?
2列目に2席、3列目にも2席のシートが据え付けられている。2列目シートは長いレールに載っていて、スライド可能。3列目も、大人でも快適に座っていられる空間だが、シートを畳めば大きな荷物を運ぶ場合も使い勝手が良さそうだ。 3列目シートを使った状態でも荷室容量は306リッターで、そこをたたむと1340リッターに拡大。さらに2列目と3列目のシートを畳めば、2469リッターと広大な荷室空間が生まれる。
空調、充電ソケットなど、必要はものはたいてい揃っているし、ガラスはめこみ式のパノラマルーフをオプションで選んだ場合、後席の乗員は雲や樹木などの景色を楽しんでいられる。
日本には2025年上半期に導入予定とのことで、価格を含めたモデルの詳細はまだ未定。いかついミニバンでなく、こんなキュートなモデルを、公用車にも使ってくれれば、路上がより楽しくなりそうだ。 Wolfgang Grube/フォルクスワーゲングループジャパン=写真 小川フミオ=文
OCEANS編集部