学生中心で全国制覇を達成!立命館大が証明した、学生だけだから発揮できた「型にはまらない強さ」<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
<清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会:立命館大1-0帝京大>◇4日◇決勝◇札幌円山球場 1日から開幕した清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会は4日、決勝戦が行われ、立命館大が1対0で帝京大を下し、悲願の初優勝を飾った。 5回まで0点で迎えた6回、3番・津脇 大輔内野手(2年=立命館宇治出身)の三塁打で先制のチャンス。ここで4番・岡田 蒼司内野手(4年=立命館宇治出身)が犠牲フライを放ち、立命館大が先制する。 この1点を立命館大の投手陣が死守。最後は併殺プレーで締めて、優勝を果たした。
「大森(理巧)なら確実にアウトにしてくれるので、1番最高の形、狙い通りの併殺でした」 ラストプレーをベンチから見守ったのち、「やっと終わった」と安堵の気持ち、そして日本一の喜びをかみしめながら、背番号10の主将・阪上孝太内野手(4年=清教学園出身)はマウンドに走り出し、歓喜の輪に加わった。 清教学園から立命館大の門をたたくと、2年生からベンチ入りを果たし、試合にも出場していた主力メンバーの1人。しかし、「第一線で戦える選手ではなかった」と中心選手ではなかったという。 そんな阪上だが人望は非常に厚く、今年のチームが発足する際は満場一致で主将に推薦された。清教学園時代は特に役職があったわけではなく、最後に主将をやったのは小学生の時だけ。それ以来の大役になったが「全国から遠ざかっていたチームを、自分で変えたい」と決心を固めて、主将の看板を背負った。 ただ、立命館大の主将は、やることが多い。立命館大には監督がおり、実際に今大会も大阪成蹊大戦ではベンチに入った。だが、毎回来られるわけではなく、長崎県立大戦以降は不在。仕事の都合もあり、どうしても試合に足を運べないこともあるからだ。
そういうときにオーダーを決める、選手交代、サインを出すのが阪上主将。学生監督となって、チームを引っ張る。 だから責任は重たいが、学生同士だからこそ距離が近く、選手それぞれの普段の様子を見られるのは強み。だからこの試合、「元々決めていた」という継投策は、「地道に努力を重ねていて、春以降に成長していたので、信頼してマウンドに送りだした」と普段の取り組みを知っているからこそ、采配を振るうこともできているようだ。 とはいえ、学生主体だからこそ、本音で意見をぶつけ合いやすい環境。「基本的についてきてくれましたが、多分、『本当は出来ない選手なのに』って思われているかもしれない」と阪上主将は話し、決して良いことばかりではなかった。 実際、同級生で決勝戦に1番レフトで出場していた池田 悠馬外野手(4年=立命館宇治出身)も「ちょっと文句を言ってしまったことがあった」と反省気味に話す。 「就職活動が重なっていた時期でも起用してくれることが多かったんですけど、大事な試合の時に外れてしまったんです。そこに対して言い合いになってしまったんですが、その後納得するまで話し合って解決しましたけど、凄く感謝しています。調子が悪くても信じて起用してくれましたし、盗塁も自由にやらせてくれて。本当にいい主将でした」