【青森県内豪雪】積雪2m、リンゴ枝折れ複数「このまま降り続くと被害深刻」 弘前市・岩木山麓
「このままのペースで雪が降り続くと、被害が大きくなっていく」-。9日午後1時半、青森県弘前市岩木地区の岩木山麓にあるリンゴ園。生産者の葛西修造さん(71)は年末年始の大雪の被害状況を確認するため、園地を訪れた。 園地の面積は約38アール、リンゴ樹は約60本ある。リンゴ樹の高さは3メートルほど。「雪は2メートル近くは積もっているな」と葛西さんは園地を見渡した。この日、雪の重さによる枝折れは4~5本ほど確認された。細い枝が多かったが、中には太い枝もあった。幸い、幹折れなどの大きな被害はなかった。 「主幹が折れる被害はないし、このくらいの枝折れならまだ大丈夫だ」。過去の大雪被害を知る葛西さんは冷静に話しつつも、安堵(あんど)した様子で折れた枝を片付けた。リンゴ樹の損傷は収量に影響するだけでなく、病気の発生にもつながることが懸念される。 枝の欠損部分を放置しておくと、リンゴ樹を枯れ死にさせる「腐らん病」の感染源が入り込む恐れがある。葛西さんは「折れた部分には塗布剤を塗っておかないと」と話していた。 ここ数日の雨で、リンゴ樹の上に積もった雪は解けていた。それでも葛西さんは少しでも被害が広がらないよう、スコップを使って樹上に残っている雪を落としていった。 被害を軽減するには、リンゴ樹の雪下ろしに早期に取りかかることが必要だが、農道の除雪という課題もある。この日の葛西さんは防寒具を上下まとい、スコップを持ちながら膝まで積もった雪をかき分けながら5分以上歩き、園地にたどり着いた。「こんなに早い時期に大雪が降るなんて。園地に着くまでに疲れてしまう」と困惑していた。 県りんご協会は今冬の大雪を受け、12年ぶりにりんご園豪雪対策本部を設置。津軽地方のリンゴ園で、枝折れや幹割れが確認されているという。被害の拡大を防ぐため、生産者に早期の雪下ろしを呼びかけ、行政側には農道の除雪を進めるよう求めている。弘前市は生産者が農道除雪をする費用の一部を補助する事業を行い、周知を図っている。