多摩美術大学がAIやサーキュラーなど5つの最先端のテーマを研究するプラットフォームをスタート
多摩美術大学が、東京ミッドタウン・デザインハブ内の多摩美術大学 TUBを拠点に、AIやサーキュラーなど5つの最先端のテーマを研究するプラットフォームをスタートさせた。 これは、2021年に立ち上げたヴァーチャル大学「Tama Design University」の枠組みを展開させ、実施されるもの。「AIとデザイン」「サーキュラーデザイン」「ストラテジックデザイン」「デザイン人類学」「遊びのデザイン」を5つのテーマとして掲げるとともに、美術大学としてデザイン・アートの視点からこれからの社会を考える様々なプログラムを実施するという。 各テーマには部門(Division)を設け、リーダーに多摩美術大学で教鞭を執り第一線で活躍を続ける研究者や実務家を迎える。5つのDivisionを中心に、各界で活躍する多彩なゲストとともにシンポジウムや講義、企業と連携した企画、参加型のワークショップなどを実施することで、より幅広い層に向けた様々なプログラムの発信を長期的に行っていくという。 各リーダーを務めるのは、「AIとデザイン」に久保田晃弘(多摩美術大学 情報デザイン学科教授)、「サーキュラーデザイン」に濱田芳治(多摩美術大学 生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻教授)、「ストラテジックデザイン」に佐々木千穂(多摩美術大学 統合デザイン学科教授)、「デザイン人類学」に中村寛(多摩美術大学リベラルアーツセンター教授、「遊びのデザイン」に野村辰寿(多摩美術大学 グラフィックデザイン学科教授)。 同大学学長で建築家の内藤廣、そして同大学統合デザイン学科 教授、TUBディレクターの永井一史は、それぞれ次のようにコメントを寄せている。 わたしたちは高度情報化社会に生きています。 近年のAIの登場は、それをさらに加速しているように見えます。当然、アートもデザインも、このうねりの最前線にいます。本学の拠点のひとつであるTUBから派生したTama Design Universityは、このうねりの波濤に立つ学びの場だと思っています。Divisionのリーダーは、波濤の先に「近未来の手触り」を感じ取ろうと戦っているすぐれた感性の持ち主ばかりです。わが国の近未来に希望を託す多くの方が集い、切磋琢磨し、先端の知識と新しい感性を獲得し、ここから次の時代を拓く端緒を見つけ出していただくことを願っています。 内藤廣(建築家・多摩美術大学学長) 気候変動、技術の進展、地域的課題など、デザインの視点から取り組むべき多くの問題が存在しています。このような問題に対処する中で、我々は人の豊かさとは何か?どのような未来を築くべきかという根本的な問いに直面しています。それにはデザインとアートに内在する知識と実践を融合させ、異なる分野との協働を通じて、多様な人々を巻き込み、議論し深めていくことが重要です。従来ではなかなか難しかったことが今回のあらたな枠組みを通じて実現できればと考えています。 永井一史(多摩美術大学 統合デザイン学科 教授、TUBディレクター)