興南の主力選手→大学準硬式の道へ!関東学院大へ進学したルーキーが刻む恩師の言葉は「逆境はついてくるもの。だから友達になれ」<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
<清瀬杯第56回全日本大学選抜準硬式野球大会:関東学院大2-4帝京大>◇3日◇準決勝◇札幌円山球場 【一覧】進学もしくは社会人志望の選手 日本一の座をかけて1日から開幕していた清瀬杯第56回全日本大学選抜大会。3日は準決勝が行われ、第1試合で帝京大が関東学院大に4対2で勝利。敗れた関東学院大は、6月の予選会で帝京大に勝利したものの、今回はあと一歩力が及ばなかった。 とはいえ、関東学院大のスタメン野手9人中、1年生が3人起用されるなど、3年生以下が7人という構成。新チームでも躍進が十分期待される。その軸になりそうなのが、サードのスタメンだった金城 颯弥内野手(1年=興南出身)だ。 帝京大との一戦、7番サードでスタメン出場すると、3打数1安打を記録。得点に絡むことができなかったが、1年生ながらチームの主力として最後まで懸命にプレーした。 ただ、試合には敗れた。「泥臭くても一生懸命プレーして、4年生と1日でも試合をしたかった」と悔しさをにじませた。 興南時代、2年生のときにチームは甲子園に出場したが、金城自体はベンチ外。最後の1年は主力選手になったが、東恩納蒼投手(現中央大)を擁するライバル・沖縄尚学の壁に阻まれ、選手として全国の舞台を踏むことはできなかった。だから、今大会が自身の野球人生にとって、初めての全国大会。「上には上がいる。1年生ながらとてもいい経験ができた」と、どこか達成感があるように見えた。 ただ興南で主力選手になれるほどの実力がある金城は、どうして準硬式の道へ歩んできたのか。 「たしかに興南での野球漬けの日々は、充実していました。けど、大学では野球だけではなく、色んなことにも挑戦して、両立をさせたかったんです。それで調べる中で準硬式の存在を知って、学生主体で文武両道ができる。そのうえで全国を目指せるという世界に興味をもって、やってみようと思ったんです」 数多くの準硬式の魅力に惹かれて、金城は関東学院大の準硬式野球の一員になった。入学すると、思っていたように選手たちでサインを考え、練習も進めていく。野球以外のことも全力で取り組む生活が待っていた。 興南時代とは真逆の世界「最初はどんな感じなのかわからなかった」と戸惑いはあった。でも「先輩が1から教えてくれたので、のびのび出来た」と関東学院大の環境のおかげで、金城は準硬式の世界に適応していった。 また、興南時代に教わったことも、金城を支えた。 「我喜屋先生からは、『逆境はついてくるもの。だから友達になれ』って言う話は覚えています。たしかに興南時代も困難がありましたけど、大学は文武両道など大変なことがついてくるので、そのときに、我喜屋先生の言葉を胸に逆境に立ち向かいたいと思います」 金城の大学準硬式の日々はこれから。「全国に通用する選手になりたい」と金城は宣言していたが、そこに至るまでには数々の困難があるだろう。野球はもちろん、それ以外でもだ。そのときこそ、興南の教えを胸に乗り越えて、数年後には大学準硬式を代表する選手になってほしい。