【有馬にかける男たち②】鮫島克駿騎手 念願の大一番!シュトルーヴェで暮れの中山沸かす
グランプリに挑むジョッキーの胸の内に迫る連載の第2回は、今回が有馬記念初騎乗の鮫島克駿騎手(28)=栗・フリー=が登場。競馬学校時代に中山競馬場で観戦してから12年。今度はシュトルーヴェに騎乗して、自身がファンを盛り上げる立場となる。 このチャンスを待っていた。鮫島駿騎手が、3度目のコンビ結成となるシュトルーヴェで、暮れのグランプリに挑む。 「競馬に興味がない人でも馬券を買う、注目度が高いレースです。乗ってみたかったですし、いい一年の締めくくりにしたいです」 デビュー10年目の今年は15日終了時点で98勝と、キャリアハイを更新。自身初のJRA年間100勝到達も視野に入れている。それでも「いい馬に乗せていただいているおかげですから」と謙虚さを忘れない。 相棒のシュトルーヴェは今年3月の日経賞で初めてコンビを組み、重賞初Vへと導いた。前走のジャパンCはスタートで後手に回り、流れに乗り切れず10着。とはいえ、最後はしっかりと伸びていた。「距離はもちそう。勝負根性もありますし、末脚が持ち味。しっかりと引き出してあげたい」と巻き返しを誓う。 競馬学校時代、2012年の有馬記念を生観戦した。同年の2冠馬ゴールドシップが年長馬をねじ伏せ、中山競馬場に大歓声が響き渡ったシーンに胸を熱くした。 「鳥肌が立ったし、今でも忘れられない。あの場に立てることは、騎手としてうれしいこと。チャンスをいただいたので、頑張りたいです」 学生時代から夢に見た舞台。今度は自身がファンを興奮させる立場で、決戦の地に立つ。(北池良輔) ■鮫島 克駿(さめしま・かつま) 1996(平成8)年10月18日生まれ、28歳。佐賀県出身。父・克也は佐賀競馬の元騎手で現調教師。兄・良太はJRA騎手。2015年に栗東・浅見秀一厩舎からデビュー。同年は39勝でJRA賞最多勝利新人騎手。16年高松宮記念(スギノエンデバー)でJRA・GⅠ初騎乗(15着)。20年小倉大賞典(カデナ)でJRA重賞初制覇。22年2月限りで浅見調教師が定年引退したため、翌3月からフリー。16日現在、JRA通算6922戦529勝(うち重賞11勝)。160センチ、48キロ。