木材製品の魅力をアピール 東京都が林業県と「モクコレ」
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木材の需要拡大を目指す「WOODコレクション(モクコレ)2016」が18日、19日の2日間、東京・台東区の都立産業局センターで開催された。
長野県・岐阜県とタッグ組む
近年、東京都は林業の振興に取り組み、積極的に多摩産材をPRしている。今回のイベントでは、東京都のみならず林業が盛んな長野県・岐阜県とも連携した。 会場内ではイスや机、幼児用の玩具といった従来からの木材製品のほか、木製のガードレールといった、技術革新によって生み出された新製品も展示された。 高い技術でつくられた日本の木材製品は、海外から高く評価されている。また、新国立競技場に木材が使われることが決まったことで、国内の建設事業者からも国内産材は再評価されつつある。 それでも、まだ木材製品の国内市場規模は小さい。林野庁の統計では、木材の国内自給率は昭和30年代から一気に下降。近年は微増傾向にあるものの、それでも2012(平成24)年度は23.8%という低い状況にある。 今回のイベントは、森林資源を豊富に有しながらも使われない国内産材の利用を拡大させる狙いがある。林野庁は国内産木材の利用拡大のために、積極的に木材を使う“木づかい”運動に取り組み、新建材CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー=直交集成板)の実用化を推進している。 都は花粉の少ない森づくりを推進しており、多摩地域の樹齢30年以上のスギ林の伐採を進めている。木材製品の市場が拡大すれば、森林の伐採は加速する。木材利用を推進することで、スギの伐採も進み、それは同時に花粉症の対策にもなっていることから、今後も木材の普及に力を入れていく方針を固めている。 (小川裕夫=フリーランスライター)