ゲームとドラマが好調の「テンセント」、創業者が中国2位の富豪に復活
フォーブスが11月6日に発表したランキング「中国の富豪100人」の2024年版では、テンセント・ホールディングス会長兼CEOの馬化騰(ポニー・マー)が、昨年の4位から順位を2つ上げて、3年ぶりに中国で2番目の富豪に返り咲いた。 テンセントの株価は、中国ゲーム業界の回復に後押しされて過去1年で49%急騰した。その結果、マーの保有資産は、147億ドル(約2兆2650億円)増加して468億ドル(約7兆2000億円)に達し、金額ベースの上昇幅では本ランキングに登場した富豪の中で最大を記録した。 テンセントがパブリッシャーとして5月にリリースした、中国本土で絶大な人気を誇るゲーム『アラド戦記』のモバイル版である『アラド戦記モバイル』は、爆発的ヒットを記録し、同社の第2四半期の収益を前年同期比8%増の1610億元(約3兆5000億円)に押し上げた。 さらに、広告部門の収益も、月間アクティブユーザーが約14億人のメッセージアプリであるWeChat(ウィーチャット)の限定広告枠の強い需要に支えられて、前年同期比約20%増の299億元(約6421億円)を記録した。 また、動画ストリーミングサービスのテンセントビデオも好調で、人気のドラマシリーズ『慶余年』の続編である『慶余年2』と『与鳳行/The Legend of Shen Li』は、今年上半期における中国オンライン動画プラットフォームの視聴回数ランキングで1位と2位を記録したと同社は述べている。 現在53歳のマーは、深圳大学でコンピュータサイエンスを学び、1993年に卒業した後の1998年にテンセントを創業した。世界のゲーム業界で『王者栄耀(Honor of Kings)』の大ヒットで知られる同社は、米国のエピックゲームズに出資するほか、ライアットゲームズを買収した。
Catherine Wang