「在日米宇宙軍」発足 宇宙領域での監視や情報共有で日米連携
宇宙領域における安全保障上の脅威が高まる中、米軍は4日、米インド太平洋宇宙軍傘下の「在日米宇宙軍」を発足させた。司令部を横田基地(東京都福生市など)に置き、10人規模で始動。宇宙領域での監視や情報共有などについて日米連携を強化するため、航空自衛隊など日本の関係機関との調整の円滑化を図る。 横田基地でこの日あった発足式には、米軍や空自などの約300人が出席。在日米宇宙軍司令官に就任したライアン・ラートン大佐は「私たちの小さくて献身的なチームは、宇宙関係の交流を通じて同盟を強化すること、(問題の)解決策に多くの宇宙能力と効果をもたらすことを楽しみにしている」と抱負を述べた。 米インド太平洋宇宙軍司令官のアンソニー・マスタリール准将もあいさつ。日米両政府が2023年に、日本の人工衛星に対する攻撃などを想定し、日米安全保障条約第5条に基づき共同対処する可能性を確認したことに触れ「今日こそが米宇宙軍の日本における部隊設立の好機。宇宙能力が調整、同期され全ての事態に対処できるようになる」と強調した。 宇宙領域を巡っては、中国やロシアなどが他国の衛星を攻撃、妨害する「キラー衛星」などの兵器開発を進めているとされる。米国は19年に陸海空や海兵隊と並ぶ6番目の軍種「宇宙軍」を創設。22年、ハワイにインド太平洋宇宙軍を、韓国に在韓米宇宙軍をそれぞれ発足させた。空自も20年に宇宙監視の専門部隊を新設しており、27年度までに空自を「航空宇宙自衛隊」へと改称することを計画している。 防衛省によると、在日米宇宙軍の発足に伴う、アンテナやレーダーなど新施設の整備は予定されていないという。【松浦吉剛】