契約制度の改定は小さな前進。ただ、Jリーグが再び有望な素材を取り戻したいなら、金銭待遇以上にメスを入れるべきなのは根幹となる環境だ【コラム】
13年前に高卒でJ1クラブに加入した長男の年俸は…
欧州ではセカンドチームなど選手の出場機会を確保するための環境が整う。Jリーグにもそういったシステムの構築が必要だ。写真:Getty Images
四半世紀ぶりの小さな前進である。 Jリーグが2026年2月1日から、ルーキーの年俸の上限を670万円から1200万円に引き上げ、J1からJ3までの下限もそれぞれ480万円、360万円、240万円に設定することにした。前世紀末にJリーグの夢が萎んだのは、爆発的なブームに浮かれたクラブの放漫経営が主因だった。創設当初からビッグネームの来日が相次ぎ、世界の年俸ベスト10には三浦知良やラモス瑠偉ら日本人選手たちが名を連ねた。しかしやがて破格の高年俸が経営を圧迫するようになると、当時の川淵三郎チェアマンを筆頭に「身の丈に合った」が関係者たちの合言葉になる。対照的に欧州ではEU内の移籍の自由を保証するボスマン判決が下り、次々にドリームチームが誕生して市場も拡大。節約に追われるJリーグとの立場は一気に逆転した。 地球上でサッカーは最も稼げるスポーツだ。「フォーブス」が発表した24年度
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