「ふてほど」でも「50-50」でもない…11月頭に発表された流行語大賞の後に生まれた「2024年の本当の流行語大賞」とは?
私は衆院選では萩生田光一氏の選挙戦に注目し、公示日から八王子に何度も入った。裏金と旧統一教会という、ここ数年の問題のどちらにも顔を出した萩生田氏。土壇場で自民党からの公認を受けられなかった萩生田氏はどんな選挙戦をするのか現場を見ておきたかった。
空前の「土」ブーム
注目の演説では自分を批判する相手候補を批判していた。「すべて最初から最後まで私への批判、この街に対しての政策は1ミリもない」と。決め言葉は「私は八王子の土になります!」であった。 すると同じことを叫んでいた人もいた。ジャーナリストの鈴木エイト氏が教えてくれたのだが、和歌山2区に出馬していた二階俊博氏の三男も「和歌山の土になります」と演説していたという。空前の「土になりますブーム」である。今年の10月に局地的に流行していた。 実はこれには“元ネタ”がある。昭和最後の首相でもあった竹下登氏である。竹下氏が1958年5月の衆院選に初めて立候補したときの第一声が、「島根に生まれ、島根に育ち、やがて島根の土となる」だったのだ。現在は故郷の竹下像の台座にこの言葉が掲げられている。おそらく萩生田氏も二階氏も“自民党レジェンド”の言葉を拝借したのだろうが、故郷を最大のアピールにするしかないほど追い詰められていた選挙戦ということもうかがえたのである。 以上、10月末からも流行語がたくさんあったというご報告でした。
プチ鹿島