70~79歳「厚生年金・国民年金」の平均月額はいくら?一覧表で「貯蓄3000万円以上」の割合も確認
金利の重要性を確認
冒頭で物価上昇率についてお話しました。 皆さんは72の法則というものをご存知でしょうか。これは、元本を複利で2倍にするためには何年必要か簡単に計算する方法です。 今年度の見通しであれる「インフレ率2.5%」で実際に計算をすると、72÷2.5=28.8になります。これはこのままのインフレ率が続いた場合、約29年後には物価が倍になるということです。 言い換えれば、皆さんの貯蓄は、29年後には今の価値の半分になるということです。 では、資産を守るためにはどうするか。これは、インフレに負けない金利を味方につけるということが大事になります。つまり、お金の預け先を考える必要があります。 今ではNISAやiDeCoなどもありますが、他にも債券や色々な方法があります。 また住宅ローンの繰り上げ返済を考える方も多いかもしれませんが、住宅ローンの金利から考えると場合によっては返済を待つというのも一つの方法かもしれません。
どんな老後を目指す?現役時代のうちからプランを練る
70歳代で貯蓄3000万円以上を保有する世帯は2割弱いましたが、一方で貯蓄ゼロの割合もほぼ同数となりました。 年金額やその他の収入源、あるいは支出の多寡によっても、必要となる貯蓄は異なるでしょう。 インフレが進む日本において、年金があがってもそれ以上に物価が上がるようでは、豊かな老後を迎えるのも簡単ではないかもしれません。 とはいえ、老後のために今の生活を切り詰めるのも避けたいものです。 どんな老後を迎えたいのかを考え、短期的な目標に落とし込むことで、過度な節約ではなく適切に備えられるようにしてみましょう。 まずは自分に合う方法について、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・内閣府「令和6年度(2024年度)政府経済見通しの概要」 ・厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
渡邉 珠紀