不動産会社の女性経営者が教える! 意外と知らない「キッチンの間取りでわかるNG物件の特徴」
ひとり暮らしを始めるなら、"ここを選んでよかった"と心から思える物件に出会いたいですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに「キッチンの間取りでわかるNG物件の特徴」について教えてもらいました。プロからのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。 【保存版】IHとガスコンロ、どちらがいい? 「キッチンのNGチェックリスト」はコチラ。
不動産会社の女性経営者が教える! 意外と知らない「キッチンの間取りでわかるNG物件の特徴」
【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.61 ――物件探しをする際、キッチンでわかる"NG物件の特徴"はありますか? NG1. 「収納が少ないキッチン」 平出さん キッチンに備えつけの収納がない物件を選んでしまうと、鍋やフライパン、食器などの置き場所に困りますし、新たに収納家具を設置する必要がでてきます。デザイナーズ物件などの場合は、キッチン下に収納がなかったりなど、見せる収納になっている場合がありますが、色や素材を統一しないと散らかって見えたり、ほこりがつきやすいデメリットも。キッチン上の棚や収納部分は間取り図で確認することができないため、内見時に必ずチェックしておくようにしてください。 NG2. 「周辺スペースが狭いキッチン」 平出さん 初めてのひとり暮らしの場合はキッチン周りが狭くても「工夫すれば大丈夫かな?」と思う人もいるかもしれません。ですが、食材や洗った食器を置いたりなど、料理をする際にスペースは意外と必要です。ひとり暮らしの賃貸物件の場合、まな板が置けないほど小さなキッチンもあります。そのため、自炊を頻繁にする人にとっては思った以上にストレスになってしまう可能性が高いです。 NG3. 「小型冷蔵庫がついているキッチン」 平出さん シンクの下に小型冷蔵庫が備えつけられている物件がありますが「小さくて食材が全然入らない…」「冷蔵庫を買う必要がないと思っていたけど、思ったより入らず不便で結局別に冷蔵庫を購入した」という話をお客様から聞いたことがあります。備えつけの冷凍庫は、霜が付きやすいといったデメリットも。すでに冷蔵庫をもっている人や頻繁に自炊をする人は、小型冷蔵庫がついている物件に住む必要はないかなと思います。 NG4. 「部屋のなかにキッチンがあるワンルーム物件」 平出さん 「あまり自炊はしない」「家賃を抑えたい」いう人にとっては、1Kと同じ広さのワンルームは、1Kより家賃が安くなる傾向があるため選ぶのはいいと思います。ですがワンルームの物件で料理をすると、匂いが部屋に充満したり、洋服に匂いがうつってしてしまうことがありますので、部屋の匂いが気になるという人はワンルームを選ぶことはおすすめできません。 ――「このキッチンは不便だった」など、お客様から聞いた失敗エピソードがありましたらぜひ教えてください! 平出さん 私が以前住んでいたワンルームマンションは、キッチンの近くに冷蔵庫を置けるスペースがなかったので部屋の奥に冷蔵庫を設置。そのせいで、冷蔵庫の音が寝ていても聞こえてくるため結構なストレスになっていました。 お客様に多いのは「ガスコンロが備え付けではなく自分で購入するタイプだったため、予定外の出費がかかった」という失敗です。ガスコンロは大家さんが用意するものと思いがちですが、システムキッチンとして備え付けられていない場合は、自分で用意することが一般的。ガスコンロが設置してあっても、それは前の入居者が置いていったものである場合も。壊れてしまったら自己負担で購入することもありますので、コンロが設置されている場合は、備えつけの設備なのか残置物なのかについても確認するようにしてください。また、意外と困るのがゴミ箱の置き場所。キッチンにゴミ箱を置くスペースが取りにくい物件はよくあります。ゴミを溜めたくない理由から、24時間ゴミ捨て可能な物件をご希望されるお客様は多いです。 ――どんなキッチンなら快適に暮らせると思いますか? 快適なキッチンを選ぶために大切なことやポイントなど、平出さんの意見を教えてください! 平出さん ひとり暮らし用のキッチンは、1口コンロなのか2口コンロなのか、IHなのかガスなのか、広さも含め、さまざまです。ひとり暮らしは食材が余りがちになりますので、たまに料理をする程度なら、あまりキッチンの広さにはこだわらなくてもいいのかなと個人的には思います。 料理が好きという人であれば、ワンルームではなく1Kや1DKタイプを選ぶのがおすすめ。あまり家賃を上げたくないけど広いキッチンがいいというかたは、あえて築年数の経った物件を探すのも手です。同じ家賃でも、築浅に比べて築古の方がキッチンスペースが広い物件が豊富です。 ひとり暮らし用の賃貸物件は、どうしてもキッチンが狭いことが多いですが、 ・突っ張り棚を使う ・キッチンの壁にフックを付けて、鍋やフライパン、お玉などを吊り下げる ・食器は厳選してスタッキングできるものにする など、工夫次第で使いやすいキッチンになります。100円ショップなどでも便利な収納グッズはたくさんありますので、狭いキッチンでもあきらめずに試してみてほしいですね。 ――IHとガスコンロ、どちらがいいのでしょうか? 平出さん お客様にもよく聞かれる質問です。IHはフラットなのでお掃除が楽、火が出なくて安心というメリットがありますし、ガスは火の調整がしやすく、さまざまな素材の鍋やフライパンが使えるメリットがあるものの掃除が面倒というデメリットがあるので一長一短だと思います。私はめんどくさがりなのでお手入れが簡単なIH派ですが、大切なのはご自身のライフスタイルに合わせて選択すること。キッチン周りはごちゃごちゃしやすいので、収納の大きさや高さなどを確認して、自分が使いやすいかどうかを重視すると、住んだ後に後悔することを防げるためおすすめです。 快適なひとり暮らしを始めるために知っておこう 物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。 教えてくれた人 株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん 宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。 東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。 文・市岡彩香 anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。 ©hiro/Adobe
市岡彩香