ラグビー日本代表、“超速”で世界を驚かす ジョーンズHC「差をつける部分」…オータム・ネーションズシリーズ
ラグビーの「オータム・ネーションズシリーズ」が2日に開幕し、世界ランク14位の日本は10日にフランス戦、25日にイングランド戦(共に日本時間)を迎える。世界の強豪が欧州で激突する同シリーズはWOWOWで全試合ライブ配信、日本戦2試合を含む注目試合は生中継される。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)率いる日本代表は強豪からの金星と「超速ラグビー」の進化を目指す。 日本代表が欧州の強豪に挑む「オータム・ネーションズシリーズ」は、10日に世界ランク4位のフランスと初戦を迎える。9年ぶりに日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC体制下では初の欧州遠征。指揮官が「日本ラグビーには新しい世代が必要」と語ったように、招集時点で5人が初キャップに臨む若手主体の編成だった。 日本は6月のイングランド戦からテストマッチ8試合を行い、3勝5敗。ジョーンズHCは、1次リーグ敗退に終わった昨年のフランスW杯から若返りを図り、選手発掘に尽力している。「日本のアイデンティティーにしたい」という新たなコンセプトは「超速ラグビー」。動きや判断、全ての局面で相手を上回るスピードが求められる。豊富な運動量も必要で、発展途上の過程にある。 “超速”の可能性を見せたのが10月26日のニュージーランド戦(19●64)だ。前半5分、鮮やかなサインプレーからWTBナイカブラ(BL東京)が抜け出し先制トライを挙げると、20分過ぎまでは世界ランク3位と渡り合った。課題は80分間、戦い抜く集中力と一貫性。ジョーンズHCは「20分間はできた。その時間をいかに伸ばすことができるかが肝」と、欧州での戦いを見据える。 渡欧後、プロップ岡部崇人(横浜)が「動き出しの5メートルなど、日本らしく相手より速く動く練習をしている」と語るように、あくまでジャパン・ラグビーにこだわる。ニュージーランド戦を含めれば、3戦連続で過去未勝利の格上との戦い。成長度合いを測る上では、これ以上ない相手に挑む。 現地の1部リーグでプレーするFWタタフ(ボルドー)とSH斎藤直人(トゥールーズ)も合流した。ジョーンズHCが「超速こそが、他チームと差をつける部分」と強調する進化の片りんを、欧州の列強に見せつける。
報知新聞社