「投稿と最も近接」するログイン情報開示認める 最高裁が初判断、インスタなりすまし訴訟
インターネット上でなりすましをした投稿者を特定するための発信者情報開示を巡り、問題の投稿後のログイン情報の開示がどこまで認められるかが争われた裁判の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は23日、「投稿と最も時間的に近接するログイン情報が開示対象となる」との判断を示した。最高裁がログイン情報開示の判断枠組みを示すのは初めて。 4裁判官全員一致の結論。問題投稿の21~45日後に確認されたログイン情報8件の開示を認めた2審判決を一部破棄し、21日後の1件のみ開示を認めた。 同小法廷は、ログイン情報は問題投稿との関連性を考慮し、発信者特定に必要な範囲で開示できると指摘。問題投稿とログイン情報について「時間の近接性以外に関連を示す事情が不明な場合が多い」とし、最も時間的に近いログイン情報を開示対象にするとした。 また、それ以外でも「情報開示の必要性を基礎づける事情」があれば、開示できるとした。 原告はインスタグラムで自分の写真などを投稿していたが、別のアカウントでなりすまし被害に遭ったと主張。NTTドコモに投稿者の情報を開示するよう求めていた。 問題投稿直後のログイン情報は通信記録が特定できず、最高裁は21日後のログイン情報が「最も時間的に近い」とした。